2007年8〜9月
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現地時間8月21日12時アイルランドのコークを出航しました。
現地時間8月29日正午、ポルトガルのラゴスマリーナに到着しました。
現地時間10月17日16時ポルトガルのラゴス マリーナを出航しました。
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目黒さんのLagos, Portugal入港を記念して関連の画像をWeb Siteから収集→ Lagos Web Site集
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目黒さん9月5日〜10月5日、一時日本へ帰国後ラゴスへ戻る→ ラゴス(ポルトガル)便り
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tennkizu

Wind Speed = 5kt(2.5m/s), = 10kt(5m/s), = 50kt(25m/s)

  DHARMAの単独世界一周航海日誌   2007年8〜9月             戻る

JST8月1日
馬場様
サポートされている長期航海のヨットがそれぞれの目的地に着かれたとの事、自分の航海を振り返りながら、皆さんの安着を喜んでいます。

昨日から本格的な修理を開始しました。天気が良ければ今週中に終了しますが当地の気候は実に気まぐれです。一方ジブ(ヘッドセール)がかなりヨタッテきたので、コークに入港して直ぐ、地元のセールメーカーに新しいセールを発注しました。出来上がりは早くて8月10日になります。従って出航準備が整うのは8月中旬となる見込みです。

アイルランドを離れた後、ジブラルタル海峡に近いポルトガルあるいはスペインのマリーナに舟を預け9月頃一時帰国します。10月中に舟に戻り、モロッコあるいはカナリー諸島で時間調整をし、ケープタウンに向かいます。ケープタウン着を12月中旬に想定しています。

以上が大まかなスケジュールです。詳細については帰国時に打ち合わせが必要ですが、アイルランド出航の見通しががつき次第、連絡します。その間従来通り近況を送ります。

race race
07.08.03 フィガロレースの参加艇群          フィガロ参加艇

race race
07.08.04 エイドンとデミアン          ロバート

race
07.08.04 ファストネット灯台を回航

race race
07.08.09 葉山からきたNIRAI麻生夫妻      07.08.12 クルックヘブンでの水泳大会

race race
旧知のステファン、彼の愛艇オイスター56にて 07.08.12     ステファンの愛艇と1720

2007/8/10/13:40JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
出港準備はいかがですか。前回は8/15頃出港予定とお聞きしましたが、本日の予想では、8/13頃に低気圧がアイルランドに接近。更にこの南西側に低気圧と前線を伴い、これらが時間を置いてアイルランド方面へと進む可能性があります。注目点は北大西洋高気圧の中心位置で、予想では35N以南にありますが、これが何時ごろ北に上がるかです。すくなくとも40N付近までは北上し、西あるいは北西の風を吹かせてもらう必要があるでしょう。
今のままではビスケー湾まで南西の風が続くことになります。
当面高気圧の動きとその北側の低気圧群の動きに注目しましょう。
小生8/14-8/16は海上で音信不通となる可能性があります。それ以外はメール交信が可能です。

2007/8/12/07:07JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
艇の整備の進捗状況はいかがですか。
気象ですが、8/13以降接近する低気圧とその後の高気圧の張り出しで、当面海況の悪い状態が続くようで、出港のタイミングがつかみにくいのが現状です。ここはじっくりタイミングを見計らうのが肝要かと思います。

2007/8/18/07:00JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
アイルランドには低気圧が接近中。通過後は西から高気圧が張り出し、航路上は一時北よりが強まる見込み。23日以降次第に落ち着きますが、イベリア半島沖は遅れて25日から。
出港のタイミングは8月23日頃かと思われますが、もう少し先の予想も欲しいところです。

JST8月22日0400 GMT8月21日1900 船内時2000

51−12N/08−45W N6m/s COG200T SOG5.0kts 晴れ 20℃ 1025hPa

現地時間8月21日12時に出航しました。現況以下の通りです。

今日の満潮は午後一時。潮が変わる前を見計らって1200出航。見送りはハーバーマスターのクリスのみ。親しくしていた他の人達は、長い休暇が終わり、日々の生活、仕事に勤しんでいる。一昨日はINDULGENCEのジョン夫妻と食事。昨日はオーナーのエイデンが別れの挨拶に来てくれた。旧友ステファン夫妻ははクルックヘヴンで休暇を取った後、20日からは、エスタポナ(スペイン)の別荘で20日から休暇の続きを楽しんでいるはず。ジブラルタルから近いので、着いたら遊びに来るように言われている。帰国や次の航海の準備があるので、電話連絡だけはする旨伝えておいた。

港口を抜けて直ぐにエンジンを停め、オートパイロットからウインドベーンにスイッチ。14時キンセール岬を左舷90度に見ながら南南西に進路を取る。キンセール岬の先に、薄っすらランドフォールしたミズン岬が見える。ミズン岬の懐に位置する瀟洒な避暑地、スコール、バルチモア、クルックヘブンはRCYCのあるクロスへブンと併せ思い出深い町となった。

夕方6時には、アイルランドが次第に後方に消えていった。

当面ビスケー湾の内側に入らぬよう、又イベリア半島にあまり近づかぬような進路を取っている。これまでの航海で欧州から来た多くのヨットに出会ったが、皆口々に、ビスケー湾の突風に注意するように、とアドバイスしてくれた。プエルトウイリアムス(チリ:ケープホーンの近く)で会ったドイツ艇ピーターは、かつてビスケー湾でピッチポールしデスマストしたといっていた。適切な気象情報があればそれほど酷い目には会わずに済みそうだが。

今朝出航前に、フロリダから来たリックと話して時、今年のカリブ海ではハリケーンが多発しており、マルチニーク(今年4月に滞在)も大被害を受けたと言っていた。早くカリブ海を抜けて良かったと安堵しているところ。

2007/8/22/09:10JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信しました。
イベリア半島北西端沖までは北から北東の風で10m/s前後が続きます。 同半島北西端の岬付近は局地的な北東の強い風が予想されます。平均で15m/s前後が24時間程度続きますので、北東風が上がり始める前に荒天の準備をされることをお勧めします。また、同海域は本船航路にあたるので、ワッチも厳重に願います。
岬をかわした後は、やや沿岸よりにコースをとられると風も弱まるでしょう。ただし、8/26以降は沖合いに低気圧ができる見込みで、風は弱いものの南よりが予想されます。

JST8月23日0400 GMT8月22日1900 船内時2000

49−34N/09−59W N6m/s(最大8m/s) COG190T SOG4.5kts 晴れ 22℃ 1026hPa

北の風を受けフルメイン一枚で南下中。プラス・マイナス0.5ノットの海流あり。反流に出会うと波が少し高くなる(1m)。思うように距離を稼いでいないが、当面平穏な航海が続いている。

北京出張中とのこと、来年のオリンピックの事前現地調査と思量しています。よい成果が得られるよう祈念しています。

2007/8/23/08:50JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。
気圧配置に大きな変化はありません。イベリア半島北西端沖は相変わらず高気圧から吹き出すやや強めの北東風が予想されています。
貴艇航路上の海況はここ北京でもワッチできますのでご安心ください。

JST8月24日0400 GMT8月23日1900 船内時2000

47−23N/10−57W N9m/s COG180T SOG5.5kts 曇 19℃ 1027hPa

昨夜より9m/s(7〜13m/s)の北風が吹き始め、順調に南下。メイン1ポイントリーフ。ポートタックで帆走。風が北東に振れればジブを張れるのだが。

今朝7時、後方からヨットが200mまで接近してきたのでVHFで交信。先方「Sara」はダブリンを出航、米国東海岸へ向かうという。お互いにボンーボヤージ。曇り空にに吸い込まれるように西方に消えていった。数日後に予想される荒天に備え、艤装のチェック。少し擦り切れてきた、ウインドベーンのコントロールロープ交換。55日振りの航海。未だ身体が船の動きに馴染んでいないため、一日がとても長く感じる。

2007/8/24/09:41JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。
気圧配置、海況予想に大きな変更はありません。
イベリア半島北西端沖は8/27頃から気圧傾度やや緩み、風も弱まる見込みです。ただし、同半島西岸は南よりの風に変わります。

JST8月25日0400 GMT8月24日1900 船内時 2000

45−17N/11−03W  NNE11m/s(最大13m/s) COG180T SOG5.5kts 晴れ 23℃ 1027hPa

強風に備え、メインを3ポイントにダウン。僅か400海里、緯度にして7度相当南下しただけなのに、随分暖かくなった。昨夜は左舷200海里先、フランスブルターニュ半島の突端にあるブレヒトの灯りがボンヤリと見えた。寄港したい港の一つだったが、今はビスケー湾を渡ることに専心。明日夕刻にはイベリア半島の北西端に辿り着く見込み。

2007/8/25/09:15JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
気圧配置と海況のよそうに変更はありません。
風は徐々に東にふれ、風速も平均15m/s前後まであがります。岬をかわした後は、風弱まり、一日程度南よりの風に変わる見込み。その後再び北よりの弱風となるでしょう。

明日早朝北京を発ちますので、次の情報は8/27にお送りします。

JST8月28日0400 GMT8月27日1900 船内時2000

39−09N/11−04W NW3m/s(機走) COG160T SOG5kts 快晴 25℃ 1016hPa

馬場様
北京出張中も、お忙しい所気象情報送り続けて戴き、有難うございました。ビスケー湾を越えてからは、風不足ですが、順調に航海を続けています。ラゴスまで残り200海里。現地時間8月29日正午入港を予定しています。現況以下の通りです。

昨夜は13夜、月が進路前方を照らしていた。未だ波が残っており雲も多かったが、時々覗く月光が海面の金波、銀波を一際綺麗に浮かび上がらせていた。零時ごろコクピットに出て海面を見ていると、数頭のイルカが、新たな金波、銀波の模様を造りながら泳ぎ回っていた。真夜中にイルカを見たのは初めて。メルヘンの世界を漂っているかのようだった。
イベリア沖のイルカは、十分シエスタをとり、真夜中に活動するのだろうか。
明朝、ポルトガルの首都リスボンの沖合い150kmを通過。

2007/8/29/0900JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
このメールがお手元に届く頃には既に入港されていることと推察しますが、貴艇入港まで海況に大きな変化はありません。
イベリア半島北西端の難所もなんなくかわされ一安心です。御帰国後には、これまでの航海の様子などをお伺いしたく、お会いできるのを楽しみにしております。
まずは貴艇無事入港の御一報をお待ちします。

JST10月19日0200 船内時10月18日1800 GMT1700 2007/8/28/08:48JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
貴艇入港まで海況に大きな変化はありません。アイルランド西方沖にある優勢な高気圧の一部が南に垂れ下がり、航路上は西高東低に似た気圧配置で、弱めの北西風が続きます。貴艇のご安着をお祈りします。 ダーマを休息の場所としていた小鳥の件は残念でしたね。

現地時間8月29日1700

現地時間8月29日正午、ラゴスマリーナに到着しました。
現在午後5時。総ての手続きを完了。これから一休みし、アプローチの模様など含め、改めて現地情報お伝えします。

目黒さんが入港した美しいヨットハーバー Lagos Marina

JST9月1日1800 GMT 9月1日 0900 現地時間1000

入港してから3日目。晴天が続いている。ジブラルタル海峡を挟んで、東側のスペイン領はコスタデゾル(太陽海岸)西側のポルトガル領はアルグレーブと呼ばれている。ラゴスは、アルグレーブの略中心に位置する有数の保養地。
朝は静まり返っているが。近くの海岸は見渡す限り、白砂の海水浴場。早朝涼しいうちに水浴びをし、昼近くになるとレストランやコーヒーショップ(バー)が少しずつ込み始める。シエスタ(昼寝)の後、夕方から深夜2時頃までお祭り(フィエスタ)騒ぎが続く。
マリーナからラゴスの町まで徒歩5分。サマーホリデーの時期なので、零時過ぎても町の広場では夜店や、大道芸人でにぎわっている。若い母親達も乳幼児を乳母車に乗せ、精一杯南国の夜を楽しんでいる。
マリーナの隣が魚港。小型の沿岸漁猟船のみ。毎日新鮮な魚介類が水揚げされている。港に近いシーフードレストランでは、座ると海老の塩茹でとパンがだされる。いわし、さば、鯛の塩焼きなど日本でも馴染みのある魚介類のメニューなども豊富。

といった状況で、毎日が過ぎて行きます。一昨日近くの旅行代理店で帰国の手続きをしました。9月4日に近くのボートヤードにダーマを上架。翌日の便(エアフランス、シャルルドゴール経由)で帰国します。
離日は10月5日です。今日から2日間リスボン を訪問。大航海者たちの遺跡を訪ね、ついでにポルトガルの民衆歌であるファドを聴 き(見)にいきます。

以下入港前後の状況です。

8月29日
0700:夜があけてやっとランドフォール。陸地まで20海里弱。見渡すかぎりの低い丘陵地が続いている。陸風に運ばれ、なぜか強いニッキ(シナモン?)の香りがする。
海岸線に沿って数杯のヨットが帆走。小型の漁船も数隻みえる。更に海岸に近づくと、所々海岸線が波でけずれれ、赤や黄色の岩肌や洞のある断崖となっている。断崖と断崖のあいだは、白い砂浜の海水浴場。既に大勢の海水浴客で賑わっている。陸路アクセスが無いらしく、通い船が数隻海水浴場に向かっている。

1100: 断崖に沿って狭い運河に入り、漁港を過ぎると目の前を橋が塞いでいる。運河に沿って橋の手前、右側に長いポンツーンがあり、ここがマリーナの入り口。マリーナへの出入りは無線連絡で、跳ね橋を開けてくれる。
アイルランドとポルトガルは同じEU圏なので入港手続きはいたって簡単。マリーナが税関にかわり手続きを代行。必要な情報をファックスで税関に送り、必要に応じて税関が船の検査に来ることになっている。
(翌日の夕方、町から戻ってくると、若い税関の役人に「Mr.Meguro」呼び止められた。
先方が「ダーマの航海の様子をインターネットで見た。グレートボエッジ。」と言い、船内には入らず、パスポートにスタンプを押して入国手続き完了。)

マリーナ入り口に船を止め、直ぐ近くのシップヤードで上架の有無を確認。とりあえず一週間マリーナに係留。帰国前に上架することにした。橋をくぐり抜け、指定されたポーンツーンへ向かうと「グロリア:ニュジランドーコークと同じ航路を帆走してきた73ftの大型艇」が見える。 艇長のロジャーが大声で「タミオ、タミオ」と連呼する。彼に答えながら無事ポンツーンに係留、ホット一息、ラゴスでの生活が始まる。



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