2008年11〜12月
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11月引き続きワンガレイに滞在
12月3日10時ワンガレイを出航、ニューカレドニアのヌメアへ向かう
12月12日現地時間10時、ニューカレドニアのヌメア入港
12月20日(金)1100時、給油後ヌメアを出航
12月21日(土)1830時、イルデパン島に到着
12月24日(水)正午、イルデパンを出航、北北西120海里に位置する孤島リフォーへ向かう
12月27日(土)「天国に一番近い島」ウベア島へ到着
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kiseki

Wind Speed = 5kt(2.5m/s), = 10kt(5m/s), = 50kt(25m/s)

  DHARMAの単独世界一周航海日誌   2008年11〜12月          戻る

目黒さんの近況です
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ボヘミアン船頭殿

去る10月29日、三河(刈谷)訪問時には、深夜遅くまでお付き合い戴き有難う御座いました。その夜は碧南のボヘミアン船内で一泊、翌日には名古屋の女房の実家まで送り届けてもらい、何時もの事ながら一方的にお世話になり感謝しております。

11月2日から11月9日まで、予定通りハワイに行ってきました。11月4日ホノルルのセイントアンドリュース教会で行われた愛娘の結婚式に参列するためです。
3年以上航海を続けており、その間冠婚葬祭とは全く縁が無く、今回は久々の冠婚。それも一生に一度しかない、一人娘のため言うことで、感慨深いものが有りました。
二人でバージンロードを歩いたときは流石にホロリときました。ともあれ人生のマイルストーンの一つを無事通過する事が出来ました。
来週にはニュージランドに戻り最後の航海の準備にはいります。

現地で確かめたところセントアンドリュース教会は、英国のカンタベリー寺院を総本山とする英国国教会に属するそうです。
1538年、時の国王ヘンリー8世が愛人のアン・ブーリンと結婚するため国王至上法を発令し、旧教では認められなかった離婚を強行した時に制定されたものです。
ヘンリー8世はその後アンの妹と再婚しています。英国王室の愛人問題は、このときからの伝統となっているのでしょうか?
女房とそんな会話をしながら式を見守っていました。
因みに英国国教会の教義はプロテスタント、儀式はカソリックを踏襲しているそうです。


偶々女房が体調を崩しており、出発前直前まで点滴を受けていました。
このため、ハワイでは静養を余儀なくされ、毎日テレビで大統領選を見ていました。
オバマ新大統領はハワイ生まれ(1961年生まれ)。父親はハワイで始めて受け入れた黒人学生(ケニア出身)。
 18歳で身ごもった母親のアン・ダンハムは退学。2年後に両親は離婚。アンはインドネシア人のロロ・セオトロと再婚し一家はインドネシアに移住。オバマ10歳の時、アンは離婚。ホノルルに戻りプナフスクールに入学。以後多くの辛酸を重ね、苦学しながらコロンビア大学を卒業。その後シカゴの教会やコミュニティの仕事をしながらハーバード大学に入学し27歳で卒業。
 以後の多くの活躍は既に報道済みなので割愛します。オバマの父も母も極めて先進的な人間だったようだが、現実にオバマ氏を支えてくれたのがアンの母親(祖母)のマドリン・ダンハム。その祖母が、11月3日大統領選挙の前夜86歳で世を去っている。その日テレビ中継で祖母の訃報を涙ながらに語っていたが、これがオバマ氏が大衆の前で見せた初めての涙だったと言われている。

2008年11月4日は娘の結婚式とアメリカの大統領選が重なり、忘れえぬ一日となりました。それにしても、将来黒人の大統領が現れる可能性を示唆したケネディ元大統領は1964年に暗殺され、その数年後には黒人開放運動の指導者マルコムXや公民権運動の指導者キング牧師も暗殺されている。
 これまでも多くのアメリカンドリームの体現者が現れては消えていった。オバマ新大統領は、アメリカ史上最高のアメリカンドリームの体現者といって良いだろう。当選後CNNの討論会の中で出席者から「マケイン・ポーリンは決して負けたわけではない。オバマが勝ったのだ。」「オバマの勝利を阻む事は出来ない。彼はブラックモーセだ。」といったコメントがあったのを思い出している。

大西洋航海中、大帆船時代のことに思いを馳せるときが多かった。
この航路は「産業革命を契機に近年の欧米が発展してきたが、その繁栄は、大帆船時代の主役であった奴隷貿易によりもたらされた。」という事実を再認識する旅でもあった。今般金融危機に象徴される混迷は「生きるために物を必要とした時代(ハード優先)から生きるために何が必要か(ソフト優先)」へと時代が大きく変わろうとしている変換期を象徴しているようにも思われる。

以上漠然と考えていた事を取り止めと無く書きました。次回はニュージランドに戻ってから従来通り、気象海洋(社)経由で航海の模様を伝えるようにします。三河ヨットの堀江社長、刈谷セーリングクラブの皆さんに宜しくお伝え下さい。

                         2008年11月11日 千葉県我孫子市の自宅にて

                                     ダーマ号船長 目黒たみを

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2008年11月3日ハワイより

皆様ご無沙汰しています。最後にメールを送ったのは7月4日ですので、丁度4ヶ月前になります。
現在ニュージランドのワンガレイに船を置いた状態で一時的に航海を中止して帰国しています。
7月の中旬まで、航海を続ける予定で出航準備を進めていました。
しかしながら南半球では初冬に入っており、出航時期を大幅に遅らせる事にしました。

極めて個人的なことですが、愛娘が適齢期を迎え、明日11月4日にハワイで挙式する事になり、
昨日よりハワイに来ています。
先程娘から電話があり「教会でバージンロードを手をつないで歩く事になるので宜しく。」との連絡がありました。
「目に入れても痛くない。」とのたとえがあります。痛いとは思わないが、涙が出てきそうな予感はあります。

週末には帰国し、11月中旬にはニュージランドに戻り最終レグの出港準備をします。
その後の航海が順調に進めば、来春には帰国出来そうです。今後は従来通りこまめに現況を伝えるようにします。

以上
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Tuesday, November 25, 2008 12:10 PM From Meguro of DHARMA
馬場様
先日電話にてお伝えしましたが、ニュージランド到着時に風邪を引き、以後本日まで休養をとっておりました。
ハワイで拾ってきたインフルエンザのような気もします。徐々に回復していますので、当面12月1日(月曜日)以降、気象の状況をみてヌメア(ニューカレドニア)に向け出航する予定です。
週末に出航のタイミング等ふくめ、気象情報の送付お願いします。
目黒

Friday, November 28, 2008 10:04 AM From Meguro of DHARMA
馬場様
ご心配おかけしましたが、体調はほぼ回復。12月1日以降ヌメアに向け、何時でも出航可能です。出航届けは、気象状況を把握してからにします。出航地はワンガレイ河の河口にあるマースデンポイントになります。ここから15海里先で最近新しいマリーナが建設されました。近い将来マンション等を含めた大型のマリーナコンプレックスとすべく建設が進んでいます。

whangarei map

ワンガレイ便り 平成20年11月28日(金)

11月16日に日本を発ち、オークランド経由で直接ワンガレイに入っている。日本を出る前にインフルエンザの兆候があり、ワンガレイに着いた頃には症状がかなり悪化していた。
マリーナに隣接しているモーテル(マリーナ・コート)に落ち着き、誰にも会わずに早期回復に専念。
マリーナの主人のブルースも最近までインフルエンザで苦しんでいたそうだが抜け出すのに2ヶ月要したそうだ。
ワンガレイ到着直後にカナリア諸島のラスパルマスで会った「若水」の菅原さんからメールが届いた。
一行は現在ヌメア(ニューカレドニア)に停泊中。長期航海で痛んだ船(ベネトウの43ftカタマラン)整備をしてから北上し日本へ戻ると言う。菅原さんも最近インフルエンザに罹り直るのに2週間かかったそうだ。

2日前の水曜日(11月26日)に体調がかなり良くなったので、固まって動かなくなったマストトップのシーブを交換すべきかどうかについて、ワンガレイリギングのベテランセーラーブライアンと交互にマストに登ってチェックした。
シーブ取り替えるだけなのだが、マストを倒さなければならないので、規定方針通り、日本に戻るまでそのままにしておく事にした。
 ワンガレイでは、毎年一回地元のヨット関係者をスポンサーとして、オプアとワンガレイにいる長期航海中の海外のヨットマンを招待している。当日は、偶々年一回の招待日でワンガレイクルージングクラブが開催場所となっている。ブライアンに誘われ夕方、久々にクルージングクラブを訪問した。
オプアから大型のバスをチャーターして参加した大勢のヨットマン/ヨットウーマンに交じり、タウンベースンに係留している長期航海のメンバーも参加しており、会場は満杯。久々に会う見知った顔もチラホラ。
歓迎する側を代表し、生粋のマウイ族らしい男性が、マウイ語を時々挟みながら歓迎の挨拶。その後スライドに沿って、環境保全活動のメンバーが南太平洋の島々での保全状況、訪問するヨットマンに対しての注意・協力等についてプレゼンテーションを実施。

一連のスピーチが終わった直後、突然「目黒さんですか?」と日本人セーラーに声をかけられる。彼、平田和信さんは単身、山口県下関を昨年の11月3日に出航(艇命「平和」岡崎のパイオニア10)。その後宮古島経由で、グアム、ポナペ、コルサエ、ヴァヌアツ、ニューカレドニアを経由して10月末にオプアに到着。ワンガレイのタウンベースンに11月18日に入り、ここで整備をしながら来年の4月まで滞在するとの事。
途中、ボヘミアンの渡邊さん始め、今年5月にワンガレイで会ったワンダーラストの東山夫妻やポレールの関さん等にも会ってきたと言う。最近東山さんからのメールで「目黒がワンガレイに戻ってくる。」との知らせを受け待っていたとの事。小生がモーテルで伏せている間にも、何度か上架中の「ダーマ」の所へ足を運んでくれたそうだ。

そんな会話をしている間に、目の前を見知った顔が通り過ぎる。思わず「スチーブ」と声をかける。英国人のスチーブもソロセーラーで今年の一月初めケープタウンで会って以来、久々の再会となる。彼はダーマが出航した後、同じような航路を辿りオーストラリア(エデン)経由でワンガレイのタウンベースンに入っている。
オーストラリアからニュージランドまでの間、イギリスから一人娘が同乗し航海を楽しんできたそうだ。ラパルマスであった隻腕セーラー「エミュー」の米子さんはダーマと入れ違いにケープタウンに無事到着。スチーブが出航するまでの間親しくしていたとの事である。ケープタウンに長期逗留している米国人のロン等、現地であった共通の友人達の噂話や、お互いの航海の話しに花が咲く。スチーブは今月末に単身ケープホーンに向かう。

そのうちにクルージングクラブの重鎮マイルスが、仕事の帰りに顔を見せた。彼にはワンガレイに滞在中に最もお世話になっている。7月に帰国する前、彼の口利きで地元の絵描きのトムにダーマの絵を描いてもらうことになった。ご老体のトムは痛む足を引きずりながら幾度もダーマを訪れ、仔細に船を見に来ていた。帰国後、ワンガレイ河の河口に位置する断崖絶壁のブリームヘッドを背景に機帆走しているダーマ絵が送られてきた。トムはダーマの絵を描いた直後、ハートアタックに見舞われ、半身不随、意識も朦朧としているらしい。今回戻る前に船内に掲げる小型の絵を頼んでいたが、それはどうやら無理らしい。

いつの間にかビールを4本、その後ワインを数杯。気が付いたら会場に残されたのはクラブのレストランの支配人マリエッタ、マイルス、平田さん、私を入れて4人だけとなっていた。

昨日ダーマを水面に浮かべ、エンジンや航海計器のチェックを完了。週末、風の弱い時を見計らってセールを展開、コントロールロープのセッテングを確認し、新鮮な食材の買出しをすれば出港準備完了。12月1日(月曜日)以降、ヌメアを目指し何時でも出航できる状態になる。

以上

追伸 写真を2枚別便で送ります。


自宅で受け取ったダーマの絵。


タウンベースンでスチーブ(左)、平田さん(右)、目黒。イケメンの若者はスエーデンのヨットのメンバー。

2008/12/1/09:54JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
12/2出港の件了解です。
最新の情報では、12/4頃、航路の東の谷に低気圧が発生して南下すると予想。同時期に西から高気圧が移動してくるため、12/5を中心に南よりが一時20-25ktまで吹く見込みです。
日ごとの予想は、
12/2-4は東〜北東15kt前後
12/5-6は南〜南東一時20-25kt
12-7以降東〜北東10kt前後
これらの風の予想を見ると、出港後一旦北北西〜北西に進まれ、南よりに変わってから北北東〜北東へ。風が東〜北東へ変わった時点でヌーメアへ南東方からアプローチするのが良いかと思われますのでご検討ください。
フィジーのきたあるいは東海上では引き続き熱低が発生する可能性がありますが、今のところ航路に直接影響するものは無い見込みです。

JST12月3日0600時 GMT 12月2日2100時 現地時間12月3日1000時
現在地 34−27S/174−27E  SE4m/s COG355T SOG4.5k(機帆走、0.5kの反流有) 晴れ 1021hPa 25℃

馬場様
昨日現地時間10時にワンガレイを出航。マースデン・ポイント・マリーナで出航手続きを滞りなく終え、15時ニューカレドニアのヌメアに向け出航しました。現況以下の通りです。

12月1日の夜は、タウンベースンに係留している平田さんの平和(ヨットの名前)で最後の晩餐。集まったのは2人のソロセーラー(英国人のスチーブとスエーデン人のベルナルド)と現地の若いカップル(ジェスチン & ミカ)の合計6人。 ミカさんは山口出身のレッキトシタ大和撫子。平田さん得意のスキヤキを堪能。楽しいひと時だったが翌日、出航の準備があるので早めに退散。

12月2日は朝6時前に起きてモーテルを引き払い、最後の準備。予定していた10時に10分遅れて出航。9時半に昨日置き忘れた雨傘を持って平田さんも見送りにきてくれた。マースデンポイントの新しいマリーナで、検査官のブルースによる出航手続き完了。ブルースは3年前ケープホーンに出航した時も手続きをしてくれたので、お互い気心が知れている。出航後暫くは7m・s前後の南西の順風に恵まれて順調に北上。2000時より風速弱まり機帆走に切り替える。真夜中の0100時にオプアの沖10海里を通過しそのまま北上を続けている。

2008/12/3/09:45JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受領しました。
これから北東よりの風15kt前後が2日程度続き、その後南東風10-15ktが2-3日続きます。12/8以降南北に伸びる谷が近づく見込みで、25S以北の風は北西〜北より(但し風速は10kt前後)が3日以上続く可能性があります。
今回のヌーメアまでの航海は、西からやってくる気圧の尾根、谷、フィジー付近から南下する熱低などで、海況も予想通りには安定しない印象を受けますので、向かい風あるいは弱風で船足が伸びない時は、燃料の許す限り機帆走で距離を稼ぐようにしてください。

2008/12/04/09:50JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
気象データの配信が遅れているため、WdMap192hは入電次第お送りします。
風は明日12/5以降南東風に変わる見込みです。ただし風速は弱め。
本船は現在西側にある計回りの渦の南下流域にあります。この南下流は30S付近まで。
これを避けるためには西に進路を変え、172E付近の北上流を捕まえてください。

JST12月5日0600時 現地時間同日1000時 GST12月4日2100時
31−13S/172−30E SE4m/s COG 330T SOG 5.0kts(機帆走)晴れ 1018hPa 28℃ 62%

昨日現地時間2100時より北東風弱まり機帆走。
早朝0100時セールダウン。0900時南東の風4m/s セールアップ。
どうやら反流帯を抜けた様子。ラムラインに向け機帆走中。
4度(240海里相当)北上しただけで気温が3度程度高くなってきた。
南の乾燥した風が入っているので、今後数日間は凌ぎ易い天候が続きそうだ。

2008/12/05/09:26JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。海流図添付しておきます。
今後一週間、高路上を騒がせるような気象変化はありません。むしろおとなしすぎるくらいです。
12/7までは今の南東風が続きます。ただし今以上の風速は期待できません。
12/8からは西から谷が近づいてきますので、12/10まで風は北〜北西よりに変わります。風は特に強いものではありません。12/11以降(緯度で25S以北)から東よりの風に変わります。風速は引き続き弱め。

ヌーメアの南にはやや強めの東流域があります。当初北東風を予想して東からのアプローチと考えていましたが、風が引き続き弱めであることを考慮すると、この流れと喧嘩するのは得策ではなさそうです。
ここは本日お送りした流況図を参考にヌーメアへアプローチするコースをご検討ください。

イリジウムプリペイドの件は当分いまのままで良いでしょう。残り少なくなってから再度御連絡します。



JST12月8日0600時 現地時間同日1000時 GMT12月7日2100
27−33S/168−14E NNW7m/s COG 270T SOG 3.0kts 曇り 1009hPa 24℃ 72%

昨日夕方、風が南東から北東に変わり、夜半7m/s前後風をアビームに受け、快走。早朝より風が次第に北に振れ、更に北北西まで振れてきた。現在真上りで西に向けて帆走中。

2008/12/08/09:10JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。
本船付近は現在西から移動する気圧の谷の前面にあり、明日以降谷の通過で再び南よりに変わるはずです。
谷の通過までは風やや強く一時20kt前後。その後本船の北上に伴って東より。入港直前は西より。
12/10以降は吹いても10kt程度。

JST12月9日0500時 現地時間同日0900時
27−01S/167-32E SE7m/s COG 325T SOG 5.5kts 曇り 1008hPa 24℃ 70%

昨日報告した直後より、北よりの風が更に西にシフトし風速も20kts前後まで上昇。1500時、スタボードからポートにタックを変えヒーブツーに入りました。今朝0500時安定した南東風7m/sを受け定点25S/166Eに向け帆走開始。現地到着は12月12日(金)正午を予定しています。

北ー北西風をやり過ごすため一日遅れたが、これから数日間、到着までは理想的な吹き回しがとなりそうだ。残り300海里以下なので12月11日(木)入港の可能性も残されていたが、日暮れ近くになるため翌日入港の見通し。前線かスコールがは不明だが、昨夜2300時を中心に一時間程降雨あり。雨が降ったのは出航以来始めて。
 今朝0800時には、漁船の形をした白い艇体の船が近づいてきた。船尾に日章旗を掲げているので、こちらから日本語で交信を開始すると先方も日本語で返してきた。近くをパトロールしている漁業監視船とのことだった。
出航して7日目、やっと航海のペースが掴めてきたところだ。

2008/12/09/09:00JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
昨日は気圧の谷の通過による北西風。現在西から高気圧が進んできています。
高気圧の中心は本船の南のタスマン海にあり、今日一杯は南東風の良い風が吹きますが、明日以降、本船の北上に伴ってこの高気圧の勢力圏から遠ざかるため、風は徐々に弱まる見込みです。
ヌーメアまで南東後南西、風速10kt前後。航路上には弱いながらも北上する海流有。

2008/12/11/08:30JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。
残90マイルとのこと、12/12以降風は南に振れてくる予想ですが、風速は変わらず。
ご安着をお祈りします。
wakamizuさんとはたまにしかメールのやり取りをしていませんが、どうぞよろしくお伝えください。

JST12月12日8時 現地時間同日10時ヌメア入港
ヌメア便りー2008年12月

12月12日(金)
12月3日(火)午後ワンガレイを発ち本日目的地のヌメアに到着。出航以来概ね南東風に恵まれ順調に北上。12月8日、風が次第に東から北、更に北西に振れ、風速も20ノット強となり一日ヒーブツー。その後は南東貿易風の支配下に入りヌメア入港まで順調な航海が続き最終レグ(第10レグ)の序盤を無事完了。

入港の2日前より、電話とメールで入港先のポートモゼールのマリーナオフィスと一月前よりヌメアに滞在している「若水http://wakamizu.blog.so-net.ne.jp/2007-11-28:」の菅原さんと連絡をとりながら入港のタイミングを調整。入港時間は現地時間午前10時(日本時間8時)。マリーナのゲストバースに菅原さんと中里さんが待機しており指定されたバースで舫い完了。中里さんはヌメアからパラオ(?)まで若水の航海に参加する新メーンバー。関東水域を中心に活躍している「カラス」等のメンバーとして内外の多くの外洋レースに参加してきたベテランセーラー。現在の若水のメンバーは、出航以来搭乗している沖縄出身の若者丹来(にらい)さんを含め総勢3名。

マリーナオフィスに入港入港届けを提出、その後検疫と入国審査の役人が来るまでの間シャワーを浴びて一休み。昨夜は一睡もしていないので、入国審査官が来船した時にはいつの間にか熟睡していた。

夜は菅原さんがヌメア到着以来お世話になっている、ヌメア在住のヨットマン、堀さん宅での夕食会に参加。直ぐそばのバースに舫っているオーストリア艇のジェイソンとジョーのカップルも同行。堀さん宅はゴルフ場に隣接されたプール付きの立派な邸宅。30年前奥さんと一緒に長期航海に出た後、出産のためヌメアに滞在。以後ヌメアを中心に旅行代理店を展開し現在に至る。海外で辛抱強く事業を展開し成功した人物としての風格を感じる。パーテーの主賓は当日誕生日を迎えた中里さんと翌日誕生日を迎える菅原さん。沢山のシャンペンボトルとワイン、海鮮料理、肉料理と続いた。帰りはジェイソン/ジョー共にタクシーでマリーナに戻り、思いで深い長い一日が終わった。

若水の艇長 菅原さんのブログ 堀さん宅での夕食会の様子が見れます

12月13日(土)
朝マリーナに隣接するレストランで朝食をとり、マリーナ内でインターネットを利用するため携帯電話ショップでカードを購入。マリーナ内ではワイヤレスのシグナルが弱すぎて間歇的にしか機能せず。ITの専門家である中里さんが設定を見直して一時的に繋がったが、実用的には機能せず。午後懸案となっているバッテリーのチェックをしたが大分傷んでいるようなので総て交換する方向で対処する事とした。

午前中遅い時間に菅原さんと若水の修理現場へ同行。ヌメアに来る途中エンジンマウントの固定ボルトが総て破損。サモアで応急処置をしヌメアで本格修理を予定していたが、ヌメア入港直前に左舷のラダーが軸が折れラダーが脱落。右舷のラダー1本で入港。スペアー部品の到着を待ち、一週間前に陸揚げし全体の修理は最終段階。

12月14(日)−12月16日(火)
毎日若水の菅原さん、中里さん、にらい(丹来)さんと会い、時々は一緒に食事。合間を見て堀さん宅訪問等、連日30℃を越える陽射しの浴び毎日がゆっくりと過ぎてゆく。

12月17日(水)
若水の修理が終わり、修理工場からポートモーゼルまで回航。その間バッテリーを交換するために彼方此方聞きまわり適当な店を探しバッテリーを注文。

12月18日(木)
菅原さんと近くの朝市を散策。魚市場で新鮮な金目鯛を見つけ購入。夕食は魚の煮付け(若水の2人の乗組員は優秀なコックでもある)にありつけそうだ。午後1時半から夕方まで、堀さんの所属するゴルフクラブで堀さんご夫妻、中里さんと4人でゴルフを楽しむ。久しぶりのゴルフでストローク数は108。スコアはともかくビールが上手かった。

12月19日(金)
午前中若水船長の車に同乗し、カスタム、イミグレーション、ポートキャップテンのオフィスを訪問し出航手続き完了。72時間以内に出航することになる。午後注文していた4個のバッテリーを受け取り、取り付け完了。明日出航の予定。

ヌメア滞在中の近況は若水のブログを参照してください。若水の艇長 菅原さんのブログ

写真を3枚別メールで送ります。
以上


写真ワンガレイ、出航前日、平田艇にてすき焼きパーティ左からジャスチン、マキ、スチーヴ、ベルナルド、タミオ


ヌメア到着日(12月12日)堀邸、左からジェイソン、中里、菅原、タミオ、ジョー、アンナ堀家の長女、堀夫妻


堀家にて、左から菅原、堀夫人(テルコさん)中里、にらい(丹来)さん


12月23日(月)
現在ニューカレドニアの南東にあるイルデパンという名の島に投錨中の若水のスターンから舫をとっています。
位置は22−39.5S/167−26.5E.。本日正午(日本時間10時)ニューカレドニアの別な島リフォに向かいます。距離120海里、投錨予定地は20−55S/167−05E。海況が良ければ若水が牽引します。リフォーから更に近くの島オべアに移動し、そこから若水はバヌアツへ、ダーマはソロモン諸島のギゾ(Ghizo)へ向かう予定です。時期は12月28日前後。海況次第です。

近況以下の通りです。

12月20日(金)1100時、給油後ヌメアを出航。環礁内を南下し、入港したときと同じく東口のアマディ灯台に向かう。アマディ灯台では先着した若水に横着。若水の乗組員は、菅原船長、中里、にらいおよびヌメア在住の堀夫妻。1600一足先にダーマが水道を抜け外洋に出る。目的地はイルデ・ルパン島。水道通過中に激しいスコールに見舞われ、南東の風15m・s。真上りでポートタックの機帆走で真南に進む。

12月21日(土)0100時タックしてスタボードに、風は南東風10−15m・s。引き続き機帆走で真東に進む。1200時リーフの南端を回り、ここからフリー帆走でイルデパンまで直線距離で30海里。回航中にスコールに襲われ風速17m/s。逆潮2ノッ1トあり波悪し。1400時イリジューム電話で若水と連絡を取るが通じず。堀さんの携帯電話に1830時到着予定を伝える。1800時 3時間前に到着した若水とVHFで連絡を取りながら1830時若水のスターンに無事舫をとる。1900時堀さんが懇意にしている近くのホテルで到着祝。上等のフランス料理とワインを堪能。

12月22日(日)朝食はホテルのオーナーの招待。終日のんびりと過ごす。堀さん夫妻は午後2時のフライトでヌメアに戻水とはパラオで再会する予定との事。ヌメア滞在中は痒いところに手が届くような気遣いをして戴き感謝、感謝!!有難うございました。

12月24日(水)JST0700 船内時 同日 0900時 GMT12月23日2200時
21−50S/167-41E SSE6m/s COG330T SOG4kts 晴れ 1010hPa 31℃ 49%

 昨日正午若水に曳航されイルデパンを出航し、北北西120海里に位置する孤島リフォーを目指す。若水の広いデッキでのんびりとビールを飲み、夕食を相伴。
 ワッチを外してもらい2000時個室で本を読みながらいつの間にか寝入ったところ、ワッチの菅原オーナーより「All Hands on Deck!」の声がかかる。続いてドアがノックされ「目黒さん、ダーマの引き綱が切れました。」との知らせあり。クルーの中里さん、にらいさんは既にデッキでダーマを回収すべく準備を始めている。
 幸い曳航前に作業灯とマストトップに点滅灯を点けていたので、ダーマ存在は容易に確認できた。若水のセールを降ろし、ダーマの風上20mの地点でディンギィ降下。「後ほど又会いましょう。」という菅原さんの声に答えながら、ライフジャケットに身をかためた、中里さん、にらいさんの3人で風上に船首を向け漂っているダーマに向かう。
 一人ダーマに乗り移り、エンジンをスタートした段階でディンギィは若水引き返す。すべての作業を終え、帆走を開始したのは2300時。
 はじめダーマと並走していた若水の船尾灯が次第に遠ざかる。リフォーまで残り110海里。若水の船足では、翌日の午後には目的地に到着するが、ダーマの入港予定は翌々日早朝。現在速度を調整しながら目的地に向かっている。

2008/12/24/09:10JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受領しました。
ニューカレドニアからソロモン諸島にかけてはおおむね東より(南東〜北東)の風。12/27頃までは引き続き積乱雲の活動が活発ですが、12/28以降沈静化する見込み。ただし、風も弱まります。
本日はクリスマスイブ。「船上のメリークリスマス」をお楽しみください。

南太平洋からメリークリスマス、目黒さんの様子がここで見れます12月24日の若水のブログ

ニューカレドニアは1年を通じて、日本の初夏のようなさわやかな気候が続く毎日


ニューカレドニア観光局によるニューカレドニア エリアガイド


2008/12/25/09:20JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受領しました。
現在のやや強めの風は、明日以降10kt前後に落ち着く見込みです。風向は12/28-29にかけて一旦南よりに変わり、12/30以降は再び南分の入った東よりとなります。天候は12/27までスコールの確率やや高いでしょう。
この後一週間、付近に熱低等の擾乱の発生する可能性はありません。
「若水」にもこの件お伝え願います。


2008/12/26/09:40JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受領しました。
当該海域で今後一週間とくに顕著な擾乱の発生は予想されておりません。
風向は東〜北東が多いでしょう。ただし、積乱雲の活動が時折活発となるため局地的な海況の変化にはご注意ください。
当方本年の業務は12/29まで。来年は1/5です。休みの期間は自宅周辺?でワッチしています。


12月29日
馬場様
以下メッセージの回覧をお願いします。

引き続きニューカレドニアの離島ウベア(Ouvea)の環礁内に投錨中です。隣には何時も「若水」が投錨していますが、どちらかというと殆ど若水に居候状態です。正確には「Hotel Paradiso de Ouvea」と言う邦人経営のホテルの前、500m先の水深5msの砂場です。
 ホテルの名前から想像できるように、ここが「天国に一番近い島」なのだそうです。こちらに着いてから同名の映画のロケになった事を知りました。今年の7月に世界遺産に登録されただけあり青い海、白い砂浜、ココナツ林が連なる風光明媚な景勝地です。ホテルの宿泊客の殆どは新婚のカップルの若者達です。
 昨日は気の会った若者たちを誘い、近くの岩場にテンダーで浅場に乗り寄せ海底をのぞいた後、遠慮がちにシャコガイを取りワインのツマニしました。今日は菅原さんと2人でヒッチハイクの途中、地元の若者フレビアンに薦められるまま、彼と彼の家族の家を訪問、お土産に生きた陸カニを貰って来ました。
明日は彼の案内で銀行、スーパーでの買い物及び島内観光を予定しています。

尚ヌメア出航以降これまでの近況は、若水のブログに加え同乗者の一人中里さんが主催している以下のブログで詳しく報告されています。

UFO航海記 中里さんのブログ

UFOは元ノースセールの社長川島さんが所有する船で、中里さんはカラス、マリシテン等日本を代表するレース艇のクルーになりながらUFOで川島さんとダブルハンドレースにもでているそうです。

目黒さんに新しい家族誕生!、いつの間にこんな大家族が?12月27日の若水のブログ

今日はウベアから、目黒さんはサルより木登りがうまいらしい!12月29日の若水のブログ

2008/12/30/10:21JST
<馬場社長からのメッセージ>
今年一年大変御世話になりました。来年も目黒さんのサポート宜しくお願いします。
目黒さんは1/2頃当地を出港し、ソロモンへと向かわれる予定です。


ウベア島からコンニチハ12月30日の若水のブログ



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