2008年1月
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現地2007年12月28日10:00無事ケープタウンに入港
2008年1月16日09:30ケープタウンを出港
現地1月20日15時、修理・補給のためポートエリザベスに寄港
1月23日15:00ポートエリザベスを出港、オーストラリアのパースへ向かう
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目黒さん入港の Capetown関連の → 画像とWeb Site集
目黒さん寄航の Port Elizabeth関連の → 画像とWeb Site集
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kiseki

Wind Speed = 5kt(2.5m/s), = 10kt(5m/s), = 50kt(25m/s)

  DHARMAの単独世界一周航海日誌   2008年1月          戻る

JST1月1日6時 現地時間で2007年12月31日0000
TO WHOM IT MAY CONCERN

明けましておめでとうございます。今年も実り多きよい年でありますように!

現在日本時間で2008年1月1日0600、現地時間で2007年12月31日0000。
昨年の同日、同時間は馬場さんに励まされながら、何とかケープホーンを廻り、薄闇の中でプエルト・ウイリアムスへ入港、新年を祝う前夜祭に間に合った。つい最近のようでもあり、随分昔の出来事のような気がする。
あれから丁度一年、とにもかくにもケープタウンまで無事辿り着いた。寄港地毎に、最善と思われる整備をすることと、馬場さんの献身的ともおもえる気象情報サービスの存在が不可欠であるのは言うまでも無いが、幸運だったとの思いも強い。
                      HAPPY NEW YEAR !!


JST1月3日
馬場様
作業が思うように進まぬのは何時もの通りですが、今日(1月3日)にはそれなりの進展がありました。シップヤードの関係者には1月10日(土)には出航したい旨伝え、作業を水曜日までに完了する方向で進めています。当地での主な作業項目は以下の通りです。

1)ラダーのベアリング取替え:既にラダーは取り外しワークショップでデルリンのベアリングを新たに作成。
2)トイレの排出用のバルブの交換とトイレの電動ポンプ交換:入港2日前まで騙し騙し使っていたが、電動ポンプのリークが激しくなり2日間使用禁止。予備のマニュアルポンプは持参していたが、バルブが閉じないので、海上での交換不可。既に新しいポンプを発注済。
3)インナーステイの留め金の交換:デッキ上のインナーステイの留め金のUボルトが、現在残る最大の漏洩箇所。Uボルトがデッキを貫通しており、何度シールしても漏水が止まらない。今回はボルトにステンレスプレートを溶接し、シール面積を大幅に増やす事で解決。
4)メインセールの補強:セールはカンタスセールのヤードに持ち込み。遅くとも月曜日には完了。

以上は業者の手を煩わせている部分。世界有数のヨットの寄港地だけあり、業者の仕事の質は二重丸です。他の雑多な作業は、自分でぼちぼち進めています。オーストラリア入国には事前にヴィザが必要な事が解り、昨日インターネットで申請し、先ほどメールでヴィザ番号を受領。これから税関に入局許可と入港手続きの詳細をメールで問い合わせることにしています。

一般的な印象としては、気候に恵まれ、風光明媚、手頃な値段で食事やワインを楽しめる良いところです。
現在は観光シーズンで町は観光客で溢れています。

昨日から、テーブルマウンテンからの吹き下ろしが続いており、現在も時折20m/sを越える風が吹いています。上架した船が倒れないようにロープやハリヤードで地面に固定していますが、それでも揺れに揺れています。
帆船時代の良港の条件の一つは、「風浪を防ぐ入り江であることが勿論ですが、定期的に決まった風が吹くこともその条件」かな?と思っています。

近況以上ですが、週明けに一度気象マップとその後の予想の送付をお願いいたします。

末尾になりましたが、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

目黒拝


2008/1/7/09:40JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
192時間の予想を添付します。
ケープ沖は1/10まで強めの南東風が続く見込み。その後高気圧の張り出しは弱まりますが、引き続き南よりの風。40S付近では西よりの風。
1/13頃40S付近を高気圧が通過するため、40S付近の偏西風帯も南から東よりの風となります。また、この高気圧の通過後は北方から谷が南下してくる可能性があります。
出港のタイミングですが、1/14以降の気圧配置の変化が読めないので、今日現在では決定しづらいところですが、北方からの谷の通過する1/14がポイントとなるかと思います。それ以前の出港では、40Sまで南下しても前述した高気圧の影響で1/13以降の東進が難しいと思われます。また、45S辺りは海況厳しくお勧めできません。


2007/1/10/11:44JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
艇の作業はいかがですか?
ケープ沖の気象を眺めていますが、1/14頃までは高気圧の張り出しで南東風のやや強い状態が続きます。
一方、1/15頃沖を谷が通過する可能性があり、風も北よりから西よりへと変わる見込みです。
現時点ではこの日が出港のタイミングとして良いかと思います。なお、ケープ沖では南西に2-4ktのAGULHAS海流があります。これを横切るため当面37.5S-23.0Eをウエーポイントとされ、そこから東よりの海流にのって東進される航路をご検討ください。
いずれにしても、南アの東に出るまではしばらくの間海況は不安定です。
準備が整い次第、詳細情報をお送りしますので御連絡ください。


JST1月10日

馬場様
1月9日整備が終わり、下架、現在ポンツーンに係留しています。これから現地の友人の車で買い物に行きます。
何れのしろ1月14日以降、何時でも出港可能なように準備を進めています。
既にビザは入手していますが、オーストラリア入国前に税関に連絡することが義務付けられており、フリーマントルとケープタウンの双方のマリーナのスタッフと相談しながら一両日中に、現地の税関と連絡をとることにしています。
目黒拝


2008/1/11/08:55JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。
今のところケープ沖の天候予想に変更はありません。1/15朝にケープの南西沖に低気圧が出来、南東に進む見込みです。それまでの南東風から北西風〜西風へと変わりますので、この風を利用してインド洋に出るのが良いでしょう。
低気圧も小さく特に発達するものではないようなので、海況が大きく悪化する事はありませんが、それでもは波高は2-3mが予想され、また、風がAgulhas海流とぶつかるため、波の悪い状態が予想されますので、この辺りの情報を現地で収集された方がよいでしょう。

日本時間の1/14(日本は休日になりますが)朝に最新の気象情報をお送りします。

2008/1/15/07:00JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
192時間予想図を添付します。
予想どおり、本日低気圧がケープ沖を南東へ進みます。この低気圧の西側は北から西よりの風が期待できるので、この低気圧の後ろを進まれるのが良いようです。当面南下は海況が安定するまでは40Sまでとしてください。

2008/1/15/09:15JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
2時間ほど前に自宅より情報をお送りしましたが届いたでしょうか?
ケープ出港後は、当面のウエーポイントを37.5S-23.5E付近とされ、そこから風の様子を見ながら徐々に南下、40Sを東進される方向で検討してください。
風向は西より(南西が多いかもしれません)、平均で10-13m/s。
1/22頃西から高気圧が進み、中心軸は40S付近が予想されますので、航路上で一時東よりの風に変わる可能性があります。この高気圧の影響は避けられませんので、ここは高気圧が東へ抜けるのを待つことになります。40S以南は西よりの風が卓越していますが、頻繁に谷が通過するため、海況は良くありません。しばらくは40Sを南限としてください。

2008/1/16/09:00JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
昨日は出港準備等で多忙であったと推察します。メール受信が順調であるようにと念じています。
航海初期はなにかと大変だと思いますので、その場合は電話連絡でも結構です。
1/21までの航路上の海況は東進に差し支えないと思いますが、1/22は例の高気圧の通過で東よりの風となります。ただし、翌1/23には次の谷が航路の南方を通過しますので、再び北〜西よりの風に変わります。40S付近では風も15m/s前後と強いので、37.5S付近を目安にしばらく東へと進路をとられることをお勧めします。

JST1月18日0100時 GMT1月17日1600時 船内時1800
35-13S/19-22E SSE 9m/s COG 90T SOG 4kts(機帆走、1ktの反流有) 晴 24℃ 57% 1021hPa

馬場様
当面35-36S付近を東進します。明日長期予報マップと海流図の送付お願いします。現況以下の通りです。

昨日日暮れと共に風が南南西から南南東に触れ、夜半から明け方にかけ、数回タックし南進と東進を繰り返す。本日9時30分、アフリカ大陸の最南端アグラス岬を交わせる位置(35-10S/18ー24E)で東進。同時に出航以来使用していたエンジンを停止し帆走に移る。15時反流が強くなってきたので再び機帆走。17時南南東から更に南東に振れたので、沖だしすべくタックするが、海流で西に運ばれるので再びタックして東進。岬を交わしてから海況が変化する可能性が高いので、取りあえず機帆走でアグラス岬を交わす事に専念。

昨夜は本船が多く、又風の振れに併せタックを繰り返したので不眠状態だったが、先ほど2時間ほど熟睡したので、体調万全。二日酔いも完全に治った。



喜望峰回航

2008/1/18/11:45JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
ご依頼の海流図をお送りします。
風向きもあるので、西〜南西に流れるアグルハス海流から出るのはなかなか難しいところです。



2008/1/18/09:15JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
192時間予想図を添付します。
今しばらくの間、定期的に南を谷が通過し、通過後はケープ西沖から高気圧が東へ顔を出すパターンが続きます。このため、風向、風速共にやや変動が激しいでしょう。
一方、1/24ころ南ア東岸に低気圧が発生する可能性があります。この低気圧の影響で航路前方30Eから東で南よりの風が強まりそうです。低気圧は速い速度で東に移動しますので、本船との位置関係によっては、この強風域が東へ去るまで一時東進を遅らせる必要があるかもしれません。

JST1月19日0100時 GMT1月18日1600時 船内時1800
35−14S/21−44E S7m/s COG90T SOG 4.5kts(久々の帆走、0.5弱の反流あり) 快晴 23℃ 55% 1018hPa

真夜中の1時にアフリカ大陸の最南端、アグラス岬の沖30海里を通過。アグラス岬を通過する前後から海況が穏やかになり、海流の影響も激減。予報では明日から22日にかけ風弱まり、その後24日から南風が強くなるので場合によっては船足をとめる必要がある。

朝8時馬場社長と電話で打ち合わせ。その結果250海里東のポート・エリザベスへ入港し。給油と併せ海況が安定するのを待つことにした。ポート・エリザベス入港は明後日、現地時間1月20日正午を予定。

午後2時 Mossel Bayの 沖合い100kmにある石油・ガスの生産施設の傍を通過。今夜11時ごろもう一つの海上生産設備の傍を通過する。


2008/1/19/08:00JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
1/24に予想される谷の南下は当初の見積もりよりやや弱めの勢力となりそうです。いずれにしても、ポートエリザベスで補給され、気象の推移を見ましょう。
次の予想は1/21に最新をお送りします。電話連絡は何時でもスタンバイしています。

JST1月20日0600 GMT1月19日2100 船内時2300
34−25S/24−10W E7m/s COG75T SOG 4.5kts(機走 0.5ノットの反流あり)

明日中の入港を目指し奮闘中。


2008/1/20/07:15JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信しました。今後の気象の詳細は明日会社にて検討し、メールします。気をつけて入港してください。

2007/1/21/09:21JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
1/24に南アの沖を高気圧が通過、風は東よりが吹き始める模様。
また、高気圧の中心が東へ抜ける1月25日以降、南ア東沖に谷が出来、マダガスカル南沖から低気圧が南下する可能性があります。
これらの気圧系の動きを見ると、当面40S以北で本船の東航に有利な風は期待出来ません。50S付近をやや深い気圧の谷が東進するのを待つのが得策かと思いますが、仮にこれがしばらくこないとなれば、南ア沖を移動する高気圧の南側、45S付近まで一旦下りて、そこから東進する選択肢もあります。ただし、この海域は南を谷が通過する際、時化に遭遇する可能性が高いので、あまりお勧めは出来ません。いずれにしてもオーストラリアまでの間は気圧系とともに西から東へ移動する航海となり、航路の選択肢は限られていますので焦らずに行きましょう。特にトイレなど不安を抱えての航海はうまくないと思います。

追伸
昨夜目黒さんから電話があり、現地時間の1月20日15時に無事ポートエリザベスに到着されたとのことです。
今後の予定ですが、トイレの不具合を修理し、補給後天候状況を見て出港するとのことです。

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目黒さん寄航の Port Elizabeth関連の → 画像とWeb Site集
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JST1月22日0100時 GMT1月21日1600 現地時間(南アフリカ)1600
昨日、今日と慌しかったが、収穫の多い日だった。今朝、係官が2人ヨットクラブまで出張。出入国手続きを同時に完了。又、クラブメンバーのビルが親身になって修理の手伝いをしてくれるので、明日中に修理完了予定。
1月23日(水曜日)以降、いつでも出航可能

昨日から今日にかけての出来事を以下に記載。

1月20日 朝方曇天だったが、正午より晴れ間が広がり、港に近づいた頃には快晴。5−6隻のヨットがノンビリ帆走を楽しんでいる。港の入り口でOPディンギーが2杯練習している。何時の間にかダーマに近づいてくる。良く見ると、セールに裏風を一杯に受け、かなりのスピードで裏舵を上手に使いながら逆走している。港内にあるヨットクラブの場所を尋ねると、喜んで先導してくれた。狭いコーナーを右に左に曲がりながら、クラブハウス真ん前の浮き桟橋まで案内。入港は1500時

ポンツーンで係留ロープを受け取ってくれたディータ(ドイツ系)は、世界一周を2回した大ベテラン。彼に入国手続きの方法と修理の相談をする。入国手続きのほうは、明日事務所の係員が検査官に電話すると、係官がヨットクラブまで必要書類を持ってきてくれるとの事。ケープタウンより遥かに容易。修理の方も明日事務所が開き次第、相談するようにとのアドバイス有。上架する場合クラブのクレーンを利用すると格安だが、問題は吊り上げ能力が最大4.5トン。ダーマの総重量は現在限りなく5トンに近い。

2人のOPディンギーの子供たちが戻り、夫々の父親が話しかけてきた。話し好きのフィリップ(医者)はポーランドから移住し、15年になる。これまでの航海で南アフリカを出国し、大型ヨットで移住先を探しながら航海しているヨットの家族とあったが、彼らはどちらかというと、かっての有産階級。一方フィリップのように腕に自信があれば、安全面でのリスクを負いながらも、チャンスの多いところでもあると判断し移住を決意する人もいる。ケープタウンで世話になったトムは、アイルランド系で、ニュージランドに長く住んでいたが、あまりにも退屈でアメリカに移住。設計事務所を運営している。

もう一人の父親は、トヨタを含め日本企業との繋がりが深く、ポツポツではあるが日本語も話せる。2二人とも子供が優秀なセーラーとして育つのを楽しみにしている。l今年のOPのワールドカップはトルコで開催されるが、国内、アフリカ選手権を勝ち抜いての出場を目標にしているようだ。クラブのプレジゼントであるベア氏が近寄って来て、海外の訪問者には、ウィルカムドリンクを出すのが当クラブの仕来たりなので忘れないようにとフィリップを促す。レシートの裏に船名を書き込むと一杯分が只になる。これを皮切りに、5-6本ビールを飲み、皆に分かれて近くのレストラン「オイスター・キャチャー」で生牡蠣とサラダとワインで夕食。

1月21日 0800:オフィイスが開くのを待ち、入国手続きを依頼。係官の到着を待つ。その間船の修理に関し、マネジャーのアンディと相談、傍にディータがいたので修理の要望は既に聞いていたと思われる。

問題はトイレの排出ラインに取り付けたボールバルブの上流、塩ビ管とフレックスラインのつなぎ目からの漏水が止まらない事にある。ケープタウンでの修理後、船を下ろした時にも同じところから僅かの漏水があった。ベテラン修理屋のデイビットの指示に従い、若いカールが修理した箇所。カールがデビットの指示でダブルクランプで締め付け、漏水は治まり、そのまま出航。3日間続いた時化模様の後、気がついたら同じ場所から僅かに水が滲み出ている。継ぎ目を外したら、塩ビ管が完全に潰れ三日月型に変形。ボールバルブを完全に閉めてもかなりの漏水があるので、船上での修理は不可能。取りあえずテープで漏水箇所を止め、次の寄港地で修理することにする。偶々数日間弱い逆風が続くので、馬場社長とも相談し、ポート・エリザベスへの入港を決定した次第。

マネジャーのアンディ曰く「ここには修理の専門家はいない。必要な部品を売っている店はある。上架するなら大型のクレーンを呼ぶしかない。」と連れない返事。傍でサンドイッチを食べていたビルが、「食事が済んだら自分が見てやろう。」と助け舟。


Port Elizabeth のビルとバーバラ

ビルは自分より7歳年上、クラブの重鎮。彼と相談した結果、取りあえず、外側からプラグ(木栓)を打ち込み、漏水を止めてからバルブを外すことにした。彼が潜り木栓をハンマーで打ち込む。自分は船内で漏水の具合をチェック。木栓を削り直したり、テープを巻いたりするが漏水は止まらない。最後にパテを外側から木栓の周囲に充填してやっと漏水が止まる。バルブを外すと、テフロンのシートが変形している。製作工程に起因する完全な不良品。ビルの車で町の専門店で同じバルブを買い求め、付け替えると漏水が完全に止まる。既に夕方で店は閉じているので、他に必要なパーツは明日買い求めることにし、今日の作業はここで終了。ビルの奥さんのバーバラが時々様子を見に来る。今日はヨットで釣りに行く約束をしいたとの事。

明日は他に必要な備品の購入、両替、その他雑用のためビルが町まで連れて行ってくれることになっている。

以上


2008/1/22/09:49JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
ポートエリザベスでの模様を書かれたメール受領しました。
当初予想されていた北方からの谷の南下は、1/27以降マダガスカル沖から南東へ進む予想に変わっています。この通りであれば航路に影響はなさそうです。最終的には日本時間明日1/23の予想で確認します。
ただし、1/24以降移動性高気圧が南ア沖を東に進み、南東〜東〜北東風が吹くため、当面東へ進むのは難しい状況です。また、高気圧が東へ去った1/29頃には、45S付近から低気圧が南東進してくる可能性があり、航路上では2日程度風が強まることが考えられます。
そこで、1/23出港を前提としたコースですが、まず出港後37.5S-30E、39S-35Eを通過した後東への進路をとってはどうでしょう。1/29-30は北より後西よりの風が15m/s前後まで強まりますが、風向の具合を見ながら1/29頃から少し北上して時化の影響を最小限にすることを考えましょう。
日本時間の明日1/23/10:00(現地時間1/23/03:00)までに最新の情報をお送りします。朝起きられた後にご確認頂き、電話連絡願います。
いずれにしても、インド洋の真ん中に出るまでは向い風やラフな海況も予想されます。
今夜のお酒は控えめに願います!!

2008/1/23/09:23JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
おはようございます。
今日の関東は雪が降っています。
出港準備はOKですか。192時間予想を添付します。
予定航路に変更はありません。出港後南東へ進まれ、37.5S-30E、40S-35Eをウエーポイントとして、その後40S付近(状況によっては徐々に北上し38S付近)を東進することを検討してください。
今日の沖は西よりの風10m/s前後。航路上の風は、1/24が南東後東(移動性高気圧の影響)で、機帆走を余儀なくされると思いますが、風が10m/sを越えるのは一時的でしょう。1/25以降高気圧の後面に入るため、北東〜北へと変わり、1/29頃までこの状態が続きます。風速は1/28頃からやや上がり10m/sを越えるようになる可能性がありますが、15m/sまで。
1/30以降後から再び高気圧が張り出す見込みで、航路の修正をする必要があるかもしれません。
私事ですが、息子の結婚式で2/6-11の間ハワイに行きます。ただし、PCは抱えていきますので、飛行中を除いて連絡に支障はありません。
それでは、出航準備が整いましたら電話でお知らせください。日本時間の夕刻でしょうか。
Bon Voyage

JST1月24日0100 GMT1月23日1600 船内時1800
33−57S/25−52W SW 7m/s COG135T SOG 4.5kts 快晴 27℃ 59% 1012hPa

馬場様
電話で連絡した通り、本日現地時間1500時(JST2200時)に出航しました。
今回も長く又難しい航海が予想されます。宜しくお願いします現況以下の通りです。

昨夜はお世話になったビルとバーバラ夫妻と海岸沿いの小奇麗なシーフードレストランで夕食。今朝馬場社長に出航の連絡をし、歩いて近くのショッピングコンプレックスで最後の買い物。ついで散髪。何時ものように五分刈。気持ちが引き締まってくる。荷物が増えたので、ビルに電話し車で迎えに来てもらう。
出航は15時ジャスト。いつの間にかOPディンギーのトムと父親のフィリップが見送りに来てくれた。ビル夫妻トム親子4人が夫々に舫い綱を持ち、バースの端までダーマを移動した後、ゆっくりとバースを離れる。さようなら、いい思い出の一杯詰まった南アフリカ。縁があったら又来てみたい。


JST1月25日0100 GMT1月24日1600 船内時1800
35−06S/26−42W ESE9m/s COG160T SOG5kts 機帆走 晴 26℃ 63% 1020hPa

馬場様
現在機帆走にて南下中。明日夕刻までに37Sには到達できる見通しです。現況以下の通りです。

出航後は北西風に恵まれ、南東へ向け順調に帆走。大陸棚を越えた直後から2−4ノットの強い南東流にあい立ち往生。やきもきしているうちに夜明けを迎える。已む無く南東流に乗り、南南西に針路を取り一休み。風が南から南東に振れ、又反流も次第に弱まったので、機帆走で南南東へ向かっている。


2008/1/25/09:18JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。
本日は航路上の気象予測グラフを添付します。航路は35Eから40S線を東進する当初のルートで、本船のMAX艇速を7ktとして、海流も含めて計算していますが、帆走でも平均5ktはキープ出来そうです。
風は1/26頃まで南東風が続いた後、北に振れてきます。1/28に谷が通過。1/29はやや南よりを移動Hが通過といった、周期的に谷と高気圧が交互に通過するパターンです。
当面極端な海況は予想されていないので、40Sでも良いかと思いますが、北よりのルートはもう少し海況穏やかでしょう。
JST1月26日0100 GMT1月25日1600 船内時1800
36−54S/28−17E E7m/s COG120T SOG 5kts 晴 26℃ 63% 1020hPa

今朝より、絶好の海況に恵まれ、順調な航海を続けています。現況以下の通り。

0900 風が東に振れたのを機に、これまで断続的に使用していたエンジンを停止。帆走に移る。出航以来50時間、内エンジン使用時間17時間。明日正午前後には定点37.5S/30E付近を通過できる見通し。


2008/1/26/07:40JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。今日は自宅からお送りしています。 当面顕著な悪天は予想されていません。 高気圧の一つが本船の東に出ましたので、1/28までは次第に北よりの風に変わります。

1/28-29の間で再び高気圧が通過し、40S付近は一時南よりに変わり、通過後再び北より〜西よりに変わるでしょう。 風速は高気圧の前面で弱まり、後面で10m/sをやや越える見込みです。 貴艇からの位置レポートの経度はWではなくEです。
エンジョイ・インデアンオーシャン・セイリング!! 明日は海上からメールする予定です。

JST1月27日0100 GMT1月26日 船内時1800
37−56S/30−04E ENE4m/s COG120T SOG 3.5kts 終日0.5−1.0ktsの反流有 快晴 28℃ 54% 1022hPa

馬場様
海上から交信、データの送受信が出来るようになったと理解して宜しいでしょうか?念のためコピーを本社にも送ります。現況以下の通りです。

深夜0200東の風が3m/s以下となる。昨日は順流に恵まれていたが、1ktの反流帯に入ったので0900時迄機走。以後帆走に移るが平均速度3.5ノット。現時点では反流がやや弱まり、風速も徐々に上がってきている。通常出航してから生活のリズムが身につくまで5日程度を要する。微風ながらもそれなりに走っており、当面不安材料が無いので、ヒタスラ惰眠を貪っている。そのせいか、頭がボーとしている。偶には緊張をほぐすことも必要。


JST1月28日0100 GMT1月27日1600 船内時1800
38−33S/32−19E NNE10m/s COG85T SOG 6.0kts(0.5−1.0ノットの順流有) 曇・晴 26℃ 65% 1012hPa

現在38度線に沿い徐々に北上しながら東進しています。明日詳細及び予想図の送付お願いします。現況以下の通り。

明け方より夕刻にかけ、風向がENE−NE−NNEと振れる。これにあわせ、風速も6−8−10m/sと強くなってきた。0.5−1.0ノットの随伴流があるため、突風が来ると7ノットを上回ることもある。


2008/1/28/09:45JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。今日は自宅からお送りしています。
メール受信順調です。192時間予想を添付します。
1/30の谷は38S付近では北西10-15m/s。持続時間は24時間程度。
この一週間風は南〜西よりが多い見込みです。
一方、マダガスカル東方の15S-62E付近にサイクロンが発生しています。
2/4/12Zの予想位置は30S-57E。上空の西風は40S以南にあるため、40Sまでは引き続き南下しその後南東方へ進むと思われます。
本船の前方を南下すると思われますが、南下に伴い45Eから東では海況の悪化が予想されますので、サイクロンの動向を見ながら艇速を調整してやり過ごす事を考える必要がありそうです。

JST1月29日0100 GMT1月28日1600 船内時1800
37−47S/34−47E S 9m/s COG45T SOG3.5kts 晴 24℃ 63% 1014hPa

今後1週間の気象予想では、東進するための絶好の風の吹き回し。残念ながら、このまま進めばサイクロンと交差する可能性があるため、速度を落としながら、海況の穏やかな北東へ向かう。


2008/1/29/09:15JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。サイクロンは現在2個発生しており、一つはマダガスカルの北東方15S-62Eを南下中。今ひとつはマダガスカルの東岸の20S-50Eに発生しています。
これら二つは2/2頃マダガスカルの南東沖で一つにまとまり、ゆっくりと南あるいは南東へ進む見込みです。
近接する二つのサイクロンは、互いにループを描くような動き(今回は右回り?台風の場合、この動きの発見者の名前から藤原の効果と言っています)をする見込みで、今しばらく動向は余談を許さない状況です。ここは安全を見て当面45E付近に留まって、西には向わず南下を続けることが確実になった時点で航海を再開するようにしてください。
ただし、1/29/00Z現在、5S-80Eにもサイクロンの卵が発生しており、2/5頃には15S-70Eに南下すると予想されます。この動向にも今後注意していく必要があります。
これらの2/5/12Z時点での予想位置を添付します。
今後の連絡を密に取るようお願いします。

JST1月30日 0100 GMT1月29日 1600 船内時 1800
37−16S/35−11E NNE 4m/s COG 90T SOG 2.0kts 晴 25℃ 58% 1014hPa

一昨日までは、東進するため速度を上げる努力をしてきたが、向う7−10日間、速度を落として帆走することになる。今日は海面が穏やかだったので、積荷の整理や、気になっていた艤装品のチェックや傷んだロープの取替え等をして過ごす。気温も湿度も最適。合間を見て、航海中に休暇を貰ったつもりで、本を読んだりビールを飲んだり。今夜から24時間荒天が予想されている。所々で2-4ノットの海流があるので、風速の割にはきつい波が予想される。


2008/1/30/09:20JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。2/6/12Zの予想天気図を添付します。
現在マダガスカル沖を南下中の2つのサイクロンは、2/6頃には40S以南に南下する見込みです。サイクロンの西に予想される低気圧は不確実なものですが、その西側から高気圧が張り出してくるため、航路上でも気圧傾度はやや急となる可能性があります。
一方、15S-70S付近にも別のサイクロンが南下してくると予想されます。
これが本船の前方を通り、40S以南に南下するのが何時ごろになるか今しばらく様子を見ないと予想が困難な状態です。特に西から進む高気圧の前面になるのか、後面を南下するかは微妙なタイミングです。
期間末にはマダガスカルとモザンビークの間にも時計回りの擾乱の発生が予想されています。
当面海況が悪化する事はありませんが、西から張り出す高気圧による南よりの強い風を少しでも軽減するため、35S付近まで徐々に北上された方がよいでしょう。東は当初の45Eより5度東の50Eまで進まれても良いかと思いますが、本船はこれから相次いで南下するサイクロンの間を縫いながら東進することになりますので、しばらく気が休まりそうもありません。
tennkizu

JST1月31日0100 GMT1月30日1600 船内時1800
37−01S/37−03E NE5m/s COG70T SOG3.5kts 快晴 22℃ 72% 1016hPa

昨夜は思った程には吹かず。手頃な風だったにもかかわらず、警戒しすぎたきらいがある。風が次第に弱くなりつつある。セールがバタつくようであれば、一時機走せざるを得ない。予報では、2月6日ごろかなり荒れそうだ。それまでは嵐の前の静けさが続きそう。


2008/1/31/10:03JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
1/31/00Z現在No.14は19S-59EおよびNo.13は22S-52E。
2/1頃同島南東沖22S-55Eで一つにまとまり徐々に南東よりに南下。
2/4/00Z 35S-65E
2/6/00Z 40S-70E付近で南の谷に吸収される。

<次のサイクロンの動向について>
マダガスカル島西方に予想されていた熱帯性擾乱の活動は弱まっています。
一方、10S-75E付近の時計回りの渦は、2/3頃に擾乱としてまとまる可能性があります。

当面オーストラリア西方に中心を持つ高気圧の影響で動き遅く、2/7の時点でも20S以北に留まる見込みです。
本船が東航を再開した後、航路のどの辺りを横切るかが重要なポイントとなりますので、今後はこの擾乱が何時ごろ南下し始めるかに焦点を絞りたいと思います。
<当面の海況について>
本船航路上は、2/4後半から翌2/5にかけて南を深い気圧の谷が通過すると同時に西から高気圧が張り出すため、西〜南の風が一時強まります(平均で15m/s)。
本船の当日の位置次第で吹き出しの時間は前後しますのでご注意ください。
明日2/1は192時間予想をお送りします。毎週月、金は192時間、水には84時間をお送りするようにします。



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