2007年6〜7月
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5月28日午前10時フェアへブンを出航し、ケープコッド湾の北端を通過後
進路を東に取り北大西洋の横断に向けて帆走を開始しました
6月25日正午アイルランドのロイヤル・コーク・ヨットクラブ・マリーナ(RCYC)に到着
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Crosshaven Cork Ireland に開設された→ 目黒さんのページ (Tamio Meguro)
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目黒さんのコーク入港を記念して関連の画像をWeb Siteから集めてみました→ Web Site集
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地元の新聞 "EVENING ECHO" に掲載された→ 目黒さんの記事とラジオ局のインタヴュー
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tennkizu

Wind Speed = 5kt(2.5m/s), = 10kt(5m/s), = 50kt(25m/s)

  DHARMAの単独世界一周航海日誌   2007年6〜7月             戻る

2007/6/1/09:21JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
192時間予想を添付します。
航路上の気象はいわゆる移動性で、高気圧と低気圧が航路の北を交互に通過すると予想されます。
6/1-6/2LTは低気圧がを通過。南〜西一時10-15m/s。
6/4-6/5LTは高気圧が北を通過し北東〜東。一時10m/s。
6/6LT以降南よりで6/7-6/8LTに再び北を低気圧が通過。一時10-15m/s。
当面現在の42N付近を東進されれば顕著な気象現象に遭遇する事はありません。北よりのコースは低気圧の正面に入る可能性があります。南よりのコースは今のところ距離が長くなるだけで意味がないと思われます。

JST6月2日0600 GMT6月1日2100 船内時1700
42−36N/61−24W SSE 6m/s COG 90T SOG 5.0kts 曇り 18℃ 1012hPa

昨夜から夕方まで、潮流の変化に合わせ、機走と帆走を繰り返していたが、どうやら真ともな風が吹いてきた。
ここ数日のうちに、風のシフトにあわせ、様子を見ながら40度線まで南下。その後再び42度線まで出る作戦。

2007/6/2/07:50JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
航路の北を低気圧と高気圧が交互に通過する傾向に変わりはありません。
6/3LTまで風は西から北、さらに東から南へと変化。風速は10m/s以下。
6/4LT以降は全般にやや風速強まり、平均で10-13m/s程度が続きます。
来週末にはアゾレスの北西方まで距離を伸ばされると推定されますが、35W以東ではやや深い気圧の谷が南北に伸びる可能性があり、今後はこの谷の動向に注目していきましょう。

JST6月3日0600 GMT6月2日2100 船内時0600
42−26N/59−49W NE3m/s COG90T SOG2.5kts 曇り 16℃ 1017hPa

本日正午西経60度を越えたので、船内時を一時間進める。日本との時差は12時間遅れ、グリニッチ時より3時間遅れ。

昨日夕方南南東6m/sが吹き、どうやら安定したセイリングが出来ると思ったのも束の間、直後に濃霧に閉ざされ、風速も3m/s以下に落ちた。明け方までに濃霧は去ったが、終日鉛色の曇天が続いている。風は2-4m/s。南西から一日かけて時計回りに北東まで180度振れた。
昨日、一昨日とデイランは70海里前後。航程は遅れ気味だが焦らずノンビリ帆走を続けている。この間、燃料の補給をしたり、痛んだロープを取り替えたり、多少時間をかけて料理を作ったりして過ごしている。出来るだけ帆走を続ける事にしているが、風が東に廻り、弱ければ機走、強ければ、4日以降風が南に廻る事を想定し、北緯40度ラインまで南下する予定。

2007/6/4/09:13JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。予想天気図を添付します。
高気圧が本船の北方を通過中。通過後は徐々に南よりの風に変わるはずです。ただし、西から次の谷(低気圧の中心は遠い)が近づいてくるため、南よりの風が6/6まで10m/sを超える(Max18m/s)でしょう。
週間予報では、40N線より45N線の方が風向は良さそうです。というのも、高気圧がこの間を通過する可能性が高いからです。
顕著な低気圧は、6/4-6の谷を除いて当面ないようなので、南風を利用して45N線まで北上される事を検討してください。

2007/6/5/08:45JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
6/5GMTは西から谷が接近するため一時南よりが15m/s前後まで上がる見込みです。ただし、この谷は東へは進まず北方へと抜けていくので、6/6GMTには10m/s前後に収まるでしょう。風向は南より。6/8GMTを中心に南北に伸びる峰に入り風が一時弱まります。6/12GMT頃北を低気圧が通過、15m/s前後の風が予想されます。
南よりの風が多いため、視界がよくありませんので十分ご注意ください。

JST6月6日0600 GMT6月5日2100 船内時1800
41−56N/54−38W S12m/s COG 80T SOG7.5kts(2ノットの海流あり) 曇/雨 16℃ 1021hPa

思案の末、ニューファンドランドバンクの中を通るのを止め、南端(43N/50W)を廻ることにした。というのも昔日本一周したとき、室蘭沖でサケ・マスの流網に突っ込み苦労したことを思い出したため。奇しくも緯度、季節共に殆ど同じ。その時は濃霧で風が無く機走していたが、今回はかなり強い南風を受け、追っ手で走っているので逃げようが無い。又その件とは別に20歳代後半、関東の島廻りレースの常連だった頃の話(艇名 ブンブン:Qトン)。10月、夜10時小網代スタートの島廻りレース(神子元・大島?)。西風の中スピンスタートの直後、丈夫な生簀網に突っ込み、寒中潜ったり、色々手を尽くしたが、脱出できず、結局朝まで網の中で過ごした苦い経験もある。

昨夜来、北へ向かう海流のため20〜30度のリーウエイがあり、本日正午まではやや上り気味に帆走。正午より東へ向かう海流(ガルフストリームの延長)に助けられ、艇速が4ノットから一気に7−8ノットまで上がる。この状況が続けば、新たなデイラン記録が出来る可能性あり。

2007/6/6/08:54JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
10m/sオーバーの南風は6/6/18GMTまで。その後徐々に風は弱まります。
6/9GMTを中心に南北に伸びる気圧の峰に入り、西より5m/s前後が24時間程度続きます。6/10GMT以降、50Nの北を低気圧が通過、西〜北西風10m/s前後が吹き始めます。

JST6月7日0600 GMT6月6日2100 船内時1800
42−15N/51−30W S10m/s COG90T SOG5.5kts 曇り 17℃ 1022hPa

ニューファンドランドバンクの南端43N/50W迄残り70海里。そこから次の定点45N/45W迄280海里。

昨日夜までにガルフストリームは東から徐々に南に転進又は消滅。0.5ノット程度の分流の名残が渦状となり時々航路上に存在する。昨日正午から本日正午までのデイランは、155海里。記録にはならなかったが、これまでの遅れを大分取り戻してくれた。

2007/6/7/08:30JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
6/7GMTまでは現在の海況が続きます。6/8GMT以降高気圧に入り、徐々に南西〜北よりに変わり風速も一時5m/s前後まで弱まります。
航路の北東方には低気圧が停滞しうろついていますが、45N以南に南下する気配はありません。6/11GMT以降この低気圧の影響下に入り、北〜北西風に変わり、6/12GMT以降10m/sをやや超える風が吹き出す可能性があります。
アイルランドへのアプローチは、この低気圧の動向を見極めてからとなるでしょう。

2007/6/8/09:20JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
気象情報を添付します。
西側にある低気圧はほとんど停滞。本船は東にある高気圧に入りj始めていますので、これから南よりの風に変わるはずです。高気圧の中では2日程度弱めの北よりの風。高気圧波ゆっくりと南下するため、6/10GMT以降北西〜西よりに変わり、風速も航路が高気圧の北の縁に位置するため2-3日間程度20tkを超えるようになります。その後風弱まるもののしばらくは西よりの風が続きそうです。

2007/6/9/06:12JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
今後48時間ほどは高気圧の中で風の弱い状態が続きます。高気圧はゆっくりと南下した後、西から低気圧がゆっくりと本船の北方を北東進。風は西よりから南よりに変わります。風速はおおむね10m/s以下。

JST6月10日0600 GMT6月9日 2100 船内時 1900
44−09N/44−31W NNE 4m/s COG 90T SOG4kts(東に向かう0.5ノットの海流あり) 霧 19℃ 1027hPa

本日1300 西経45度を越えたので、船内時間が一時間進む。日本との時差11時間遅れ。

昨日日暮れとともに、風が落ち、再び濃霧が訪れる。2200霧笛を鳴らしながら本船が、速度を落としながら1.5海里まで近づいてきた。不審船か遭難船と間違えたのか。機走で東に向かうと本船も次第に速度を上げ東に向かって遠ざかっていった。そのまま機走継続。
明け方より、1−2m/sの微風が徐々に西から北に振れる。1100時 北西3−4m/sでエンジンを止め帆走に移る。終日濃霧。

2007/6/11/09:07JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
予想天気図を添付します。
航路上の海況は安定。高気圧が北方を東へのびる傾向にあるため、北よりの風がやや多くなる見込みです。風速は10m/s以下。やや物足らないかもしれませんが、ゆっくりと東航してください。後半には気圧の谷の中に入る(南よりに風が変わる)ため、近傍の低気圧の動きにやや注意が必要ですが、今の所、特に顕著な発達はない模様。

JST6月12日0600 GMT6月11日2100 船内時1900
44−17N/39−46W SW8m/s COG90T SOG6.0kts(0.5ktsの東流あり) 曇り/雨 19℃ 1014hPa

昨夜風弱し。朝までに北から西、南西へと振れる。1000時頃より風速増し1200時ー1600時をピークに最大15m/s。メインセールをリーフするタイミング逸し、ウェザーヘルムを軽減するため小さなジブを強く張り、フルメインで走りきる。

昨晩、海況が穏やかだったので、ミュージカル「ラ・マンチャの男(ピーター・オトール/ソフィア・ローレン)」を観賞。ニューヨークの小西宅に滞在中、普段見ることの無いミュージカルやオペラの名作を数枚コピーしてきた。エビータやカルメン等、本は読んでいるが映画で見るのは初めてなので楽しみ。

2007/6/12/08:45JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
一時的な強い風は航路の北を通過中の低気圧の影響です。この低気圧は次第に消滅。航路の東方にも今ひとつの低気圧があり、この低気圧から南西に伸びる谷の中に明日にも低気圧が発生し、本船の南を通って消滅。この低気圧の影響で、6/13-14GMTは東〜北東風となり、一時10m/sをやや超える見込み。6/15GMT以降西から高気圧が張り出し、北〜西よりの風。風速は7-10m/s。
6/19GMT頃の予想では、本船の北方(55N以北)に発達した低気圧が停滞。
この低気圧の動向を見極めてから北上を検討しましょう。目安は15W〜13W付近です。

2007/6/13/09:28JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
現在本船のすぐ南に東西に伸びる気圧の谷があり、小低気圧が東進中です。また、北には西方から高気圧が張り出し、航路の北にかぶりっています。従って、今現在のコースでは谷と高気圧に挟まれ、東よりの風が続く可能性があります。東進可能な風系(北、南および西より)をつかまえるためには42N付近まで南下する方が得策と思いますので、コース変更をご検討ください。
また、現在北東大西洋上には発達した低気圧があり、この低気圧がアイルランド沖辺りで停滞すると、低気圧の南側ではしばらく時化が続くことが考えられ、45N線で東進すると、この時化に遭遇する可能性があります。

2007/6/14/08:52JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
3日後の6/17GMT頃、本船の北方(50N以北)を低気圧が東進しアイルランド沖で6/20GMT頃まで停滞気味となり、この南側では強い北西風が広範囲に吹く可能性があります。
6/21GMT以降、この低気圧は東に去り、45N-30W付近に中心を持つ優勢な高気圧が北大西洋東部を覆う見込みで、西方の低気圧は東に進めず、50W以西に停滞。
アゾレスに寄港されるのであれば、風向は北西。ただし、前方に低気圧があるためやや強め。
明日6/15/01GMTに最新の週間予報をお送りしますので、そこで最終判断をお願いします。

2007/6/15/09:40JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
アゾレス、アイルランドのいずれに向かうにしてもここ数日は前方の低気圧の後を追いかける形となります。
アゾレスまでは北〜北西の風20kt前後が続きます。
一方、アイルランドへの航路は、6/17GMT頃から本船の北方に低気圧が現れ、6/20頃イギリス本土を通過して東へと去っていくみこみです。
当然ながら、この低気圧の後からは優勢な高気圧が追いかける形となり、今ひとつの高気圧は、アゾレス付近に停滞する見込みです。
航路上は北西風が卓越しますが、海況やや悪く、20-30kt程度の風が続きます。
一方、アゾレスに寄港した場合、6/21以降アイルランドへの航路は高気圧の東側に位置するため、北よりの風が続き、上りの帆走を余儀なくされそうです。これを避けるためには、アゾレス出港後、一旦真北に45N以北にまで機帆走し、そこからアイルランド向け東北東の進路をとる方が得策です。

2007/6/16/09:30JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
本船の東方を低気圧が東進中。次に予想される低気圧は、6/18頃、本船の北東方に南下し、その後ゆっくりと北東方へと移動する見込みです。
急速な北上はこの低気圧に追いつく可能性もあるので、この低気圧の動向を見るため、当面北上はゆっくりでお願いします。

JST6月17日1600 GMT0700 船内時0600
43−48N/29−58W WNW 11m/s COG 00T SOG 4.5kts 曇 18℃ 1009hPa

馬場様/山我様 お世話になっております。本日192時間のWDM入手しました。従って気象の大きな変化が無い限り、月曜日の送付は必要ありません。引き続きアビームで北上を続けています。、風が北西に振れるに従い北東に向かいます。現在位置及び現地での気象条件は次の通りです。

2007/6/18 09:30JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
気象情報:予報期間 2007/6/19-6/25
<概況>
本船東方の48N、15W付近に低気圧があります。本船付近は北西よりの風となっています。
<予報>
本船東方の低気圧は動きは遅く、22日頃までは50N、15W〜10W付近にある見込みです。
本船航路上は、この低気圧の影響で北西〜北よりの風となるでしょう。風速は、最大30kt前後の見込みです。

*本船航路は、おおむね51N、10W付近を目指す航路です。
*基準時間は世界標準時(GMT)です。

JST6月18日0600 GMT6月17日2100 船内時2000
44−30N/28−45W NWN 11m/s COG 60T SOG4.5kts(0.5ktsの反流あり) 曇/雨 17℃ 1007hPa

馬場様 ここ数日、北上−南下ー北上と慌しい動きがありましたが、お陰さまで上手く低気圧の背後に回りこむことが出来ました。又予想通り、低気圧が速度を緩めながら南東から南東に進路を変えたので、継続的な順風を享受できそうな気配となりました。未だ全航程2600海里の内3分の1以上に相当する925海里を残しています。予断を許さない状況ではありますが、予定通り6月26日頃には入港出来そうです。

昨日以来西経30度線を2−4ノットで北上を続けていたが、0600風が西から北西に振れたのを機にアイルランドへ向かう。

2007/6/18 09:30JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
気象情報:予報期間 2007/6/20-6/26
<概況>
気圧配置におおきな変化はありません。本船東方の48N、15W付近に低気圧があります。
本船付近は北西よりの風となっています。
<予報>
本船東方の低気圧はゆっくりと東に進んでいますが、22日頃までは50N、15W〜10W付近にとどまる見込みです。
航路上は北西〜北よりの風となるでしょう。風速は、最大25-30kt前後の見込みです。

*本船航路は、おおむね51N、10W付近を目指す航路です。
*基準時間は世界標準時(GMT)です。

JST6月19日0600 GMT6月18日2100 船内時2000
44−57N/26−30W NW10m/s COG60T SOG4.5kts 晴れ/曇り 18℃ 1014hPa
0.5ktsの反流あり。波高くは無いが、所々風の変わり目で、極めて悪し。 残り830海里

昨夜から朝にかけ、風向北東(進行方向)に振れる。この間6時間、ヒーブツー気味にスローダウン。0800風が北に振れ帆走開始。以後風が徐々に北西に振れる。風の振れに合わせながら、アイルランドに向け帆走中。

2007/6/20 09:45JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
気象情報:予報期間 2007/6/21-6/27
<概況>
気圧配置におおきな変化はありません。
<予報>
本船東方の低気圧はゆっくりと東に進んでいます。
航路上は北西よりのち北よりの風となるでしょう。
アイルランド到着頃の25〜26日頃からは、風は北よりになるでしょう。

風速は、22日前半頃までは最大25-30kt前後。
22日後半から23日前半にかけてやや弱まり、最大10-15kt前後。
23日後半から再び強まり、の見込みです。25-30kt前後の見通しです。

*本船航路は、おおむね51N、10W付近を目指す航路です。
*基準時間は世界標準時(GMT)です。

JST6月20日0600 GMT6月19日2100 船内時2000
46−08N/24−22W NW 9m/s COG65T SOG5.5kts 晴れ 18℃ 1017hPa
アイルランドまで残り715海里。

当面ISHII様宛て、メールを送付します。従来通り関係者への配布お願いします。

引き続き先行する低気圧の後を追うように帆走している。数日前の予想では、低気圧の通過後、アゾレス高気圧が張り出す前に、一時北風が予想されていた。最近の予想では引き続き北西風吹き続ける様だ。これまで22日以降の北風に備え、北に進むため四苦八苦していたがその必要が無くなり、帆走が楽になる。本日午後まで続いていた反流が消え、波も幾分丸みを帯びており、パンチングを受ける回数も減っている。

2007/6/21 10:00JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
気象情報:予報期間 2007/6/22-6/28
<概況>
気圧配置におおきな変化はありません。アイルランド付近に低気圧があります。
<予報>
23日頃、本船南方を低気圧が通過、一時的に風が東よりになることも予想されます。風速は最大20kt前後でしょう。
24日以降は、北西よりのち北よりの風となるでしょう。
25日頃、アイルランドの西方沖は高気圧の東の縁で気圧傾度が強く、北よりの風最大40kt前後の見込みです。

*本船航路は、おおむね51N、10W付近を目指す航路です。
*基準時間は世界標準時(GMT)です。

JST6月21日0600 GMT6月20日2100 船内時2000
47−16N/21−32W WNW12m/s COG65T SOG5.0kts 晴れ 17℃ 1019hPa

低気圧の後を追って北から入る残り波のため、波の状態悪く艇足上がらず。
アイルランド迄残り580海里

JST6月22日0600 GMT 6月21日2100 船内時2000
48−12N/18−39W WNW9m/s COG65T SOG5.5kts 晴れ/曇 17℃1022hPa

本日192時間の気象予報の送付お願いします。

1100時「キュ、キュ、キューイ、キューイ」と奇妙な音がするので、コクピットを覗くと、イルカの大群がダーマの周囲を取り囲むように泳ぎまわっている。奇妙な音は、キッチンの排水口から伝わってきたイルカの鳴き声。通常イルカを見るのは夕暮れ。真昼間に、しかも大群を見るのは、初めて。ダーマの左右に10数頭。後方100m以内に30頭以上いる。泳ぎ方も何時もと異なり、獲物を狙って追跡しているようで迫力がある。ビーグル水道で激突した鯨は、ブリッジの無い潜水艦の様相を呈していたが、このイルカ達は魚雷艇のようだ。頭部が丸く、全体黒色だが、腹部に流線型の白い筋が入っている。体長は3−4m。1−2mの小型(子供)も大きなイルカに連れ添うように飛び跳ねている。

暫く呆然として眺めていたが、船内からカメラを取り出し、撮影開始。これまで幾度もイルカの写真を撮ったが、良い写真は一枚も無い。あまりにも動きが早く、水面から飛び出す瞬間を捉えるのは無理と諦めていた。今回は数十頭のイルカが、次々と浮上するので、適当にシャッターを押していても、数頭はフレームにおさまる。大群を写すことは出来ないが、至近距離で迫力のある写真を撮ることが出来た。思うに食料となる小魚の群れが、ダーマと移動しており、それを囲い込みながら漁っていたものと想像している。

iruka iruka
ダーマを追うイルカの群れ

2007/6/23/09:10JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
本船の西に小低気圧があり、この後南を通過。6/24/00GMT以降西高東低に近い気圧配置になります。風も北よりやや強く20-25kt。
順風の元にすんなりと入港とはいかない風ですが、特に顕著な時化になることもないと思いますので、ここはゆとりを持たれて航行されるようお願いします。

JST6月24日0600 GMT6月23日2100 船内時2100
50−25N/13−09W NW5m/s 機帆走 COG70T SOG5.5kts 晴れ 20℃ 1015hPa 残り210海里

馬場様
久々の社長メール。何とも言えぬ、温もりを感じました。今のところ海況が穏やかなので、25日正午、多少遅れてたとしても夕刻までには入港できる見通しです。予想以上に時化た場合は、一時スローダウンして沖だし、入港を翌日に変更します。

今日は久々に終日晴れ、月齢は8。半月が西の空に見える。月が沈めば、星空が綺麗に見えるだろう。北極星の高度が大分高くなった。夏至を過ぎたばかりなので日照時間も長い。日の出が0415時、日没は2056時。

2007/6/24/09:05JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
小低気圧が本船の南東方を東進中ですが、大きく発達することはないと予想され、航路上はやや西成分を含む北の風、風速は20kt前後で特に大きく変化することはなく、安定しているはずです。

これまで特に大きな時化もなく、おおむね順調に航行されてきたことと推察します。残り2日程度の航程ですが付近の航行船舶に注意され、ご安着されることをお祈りしております。

2007/6/25/09:35JST
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
本船付近は西高東低の気圧配置で、北西〜北よりがやや強く吹いていると思われますが、アイルランドの南に取り付けば、陸地の影響で風波共に弱まると予想します。
残航程も後わずかです。ここまで大変お疲れでしょうが、どうぞゆっくりと安全に航行してください。
ランドフォールとご安着の吉報をお待ちします。

2007/6/25/1030JST
<馬場社長から目黒さんの情報>
ここ12時間電波状態悪くメール交信が出来ないとのことで、6/25/1030JSTに目黒さんから電話連絡を受けました。
日本時間6/25/06時の位置
北緯51度21分
西経09度14分
北西の風10m/s
寄港地まで残り45マイル。約10時間。明るくなったら沿岸に寄る。
乗員、艇に異常なく順調に機帆走中。入港までは徹夜。
以上です。

JST6月25日2300 GMT1400 アイルランド時間1500

予定通り、6月25日正午に ロイヤル・コーク・ヨットクラブ・マリーナ(RCYC)に到着 し、第六レグを無事完了。
これまでで最も短いレグで、大きな時化にあう事も無かったが、最も気苦労の多いレグだった。風向が安定せず、前半はいつも予想の反対に風が振れまわり、そのため、かなり遠回りを強いられた。実際2600海里の航程だったが、実走距離(ログメーター)では3040海里。出航から入港まで28日間を要したので今回も「1日100海里」は妥当な線と言えそう。

現在アイルランドはサマータイムを採用しているので、GMTより更に一時間進む。従って日本との時差は(−)8時間。近くで作業している若者に聞いたらサマータイムは5月から8月までとの事。

昨夜は、一面雲に覆われ、スコールが突風と雨を伴い頻繁に襲来。天空が厚い雲に覆われると、メールが通じなくなることがよくある。雲が発生する磁界のためだろうか?馬場社長に電話で状況伝える。予想では西高東低の気圧配置は当分続くとの事。一日程度なら沖でノンビリ過ごす選択肢もあるが、長期化するのであれば少しでも早く入港したほうが良い。アイルランドの西海岸を廻り、南海岸にでてランドフォールしたところまでは良かったが、その後マリーナまで、時々15m/sを超える風の中を上り一杯。帆走では上りきれないので、機帆走。夜中に燃料切れが心配になったが、夜が明けるまで待つことにした。これが間違いの元。夜明けとともに風が益々強くなり、水飛沫を浴びながら、危険な作業を強いられた。例え夜中でも、風が強くなる前に給油しておけば良かったが、後の祭り。曰くヨットの航海で「後で」は通用しない。知っていながら守れなかったのを反省。

コークハーバーは、世界最初のヨットクラブが誕生した場所だけあり、天然の良港。にもかかわらず、15m/sの逆風をついての入港はつらかった。波を越えるたびに、パンチングを喰らい、水飛沫で前が見えないほど。赤と青のブイの間を通り抜けなければならないが、そのブイを探すのが大変。又ハーバーの中は1000隻を越えるヨットがヒシメイテオリ、大部分はブイに係留している。入港前再連絡したが、空いているところになら何処でも結構との事であった。
不案内なハーバーの中、強風の中ブイにつないだヨットの間を掻い潜っての着艇もかなりのスリリングであった。

現在入国手続きのため、船内で待機中。これまで同様、現地でのトピックスを送るようにします。

JST6月25日0600 GMT6月23日2100 船内時2100
51−14N/09−50W NW9m/s COG65T SOG5kts 機帆走 晴れ 17℃ 1009hPa 残り80海里

午前中数回スコールに見舞われたが、それ以外は終日晴れ。数は少ないが、昨日から度々サルガッソー(20−30cmの大きさ)をみる。カリブ海の沖から、ガルフストリームに乗り、アイルランドまで辿り着いたことになる。航海中、ガルフストリームの影響を常に感じていたが、その本流がアイルランドまで流れているのを実感している。

夕方6時、強風のピークを向かえ、最大16m/sまで上がったが、僅か30分間で10-12m/sの風に戻る。アイルランドの西海岸から、南海岸に回りこんだので、北西風の影響が緩和されたせいもある。その直後、北東部を覆っていた積乱雲が去り、ランドフォール。4週間振りに陸地を見る。一番近い陸地が、南西端のミズン岬(Mizen Head)、その背後になだらかな薄墨色の丘陵を遠望。

日暮れとともに、前方左10海里にある、ファストネット・ロックの灯台が5秒間隔で点滅。この灯台は、世界3大ヨットレースの一つ、アドミラルカップの勝敗を分けるロングレースの回航地点として有名。随分前になるが、ファーストネットレースの最中、強風に見舞われ、ヨットレースの歴史で最大の惨事を引き起こした舞台でもある。

そんなことを取りとめもなく考えていたら、右舷前方から来た本船(漁船?)が、ダーマの航路の真ん前2海里のところで停止し、作業灯らしい灯りを点灯し始めた。これを大きく迂回し元の航路に戻ったところ。

JST7月2日
馬場様
ご無沙汰しております。アイルランドに着いてから丁度一週間が過ぎました。

マリーナはクロスへブンと言う名の小さな町にあり、到着した翌日早速コークを見物してきました。
バスで30分、アイルランドで2番目に大きな古い町です。

到着してすぐヨットクラブのボス、クリスと修理の事について話し合いました。週末に30マイル離れたキンセールで大きなヨットレースあり、先週はレースの準備で忙ので具体的な話は明日する事にしています。

ここには毎日、入れ替わりで欧州のヨットが訪れます。地元のヨットマンやビジターとバーでビールを呑みながら、アメリカ杯のテレビ観戦をするが日課になっています。昨日はイギリスからクルージングに来ているクリスに誘われ、彼のヨットで近くのマリーナまで昼食のため小クルージング。

cork
英国から来たクリスの船で小クルージング

今日は古い友人であるステファン・ハイドがスコットランドのクルージングから戻り、久日ぶりに旧交を温めたり、地元のラジオ局が取材に来りで珍しく忙しい日でした。

ヨットクラブでは、子供ヨット教室に力を注いでおり、毎日朝早くから夕方まで20杯近いオプチミストが湾内を走り回っています。

cork
チビッコ セーラー達

追伸
ニューヨークで送りそこなった写真が2枚見つかりましたので添付します。近いうちに写真を整理して送るようにします。
  -----「07年05月」のページに貼り付けておきました(佐々木)-----

JST7月5日
到着以来10日になるが、悪天候が続いている。偶に晴れたときは真夏日を思わせるが、一時間と持たない。毎日スコー(5−2)にルを伴った西風の洗礼を受けている。

アメリカ杯は、スイス艇アリンギの圧倒的な勝利終わった。3戦目から4レースをヨットクラブの大型テレビで観戦する機会にに恵まれた。7m/s以下の軽風では、スピード・上り角度ともに明らかにアリンギに分があった。デザイン・チームワーク・練習量の差を感じさせられた。一方全てのレースが僅差(1秒から35秒)で、順位が目まぐるしく入れ替わった。チーム・ニュージランドが善戦したとも言えるシリーズだった。

ヨットクラブのボス、クリスのアレンジで修理の目処がつきつつあるが、何時作業できるかは天候しだい。晴れ間を縫って自分でできる作業を少しずつ始めている。

追伸:
フェアへブンマサチューセッツ)−コーク(アイルランド)間の写真を添付します。関係者への転送お願いいたします。
JST7月29日
ご無沙汰しております。アイルランドに到着して既に一ヶ月が経過しました。

7月12日から7月27日まで、2週間女房が訪ねて来ました。昨年8月以来の再会になります。
ゴルフの好きな彼女のため、レンタカーで、アイルランドとスコットランドのゴルフ場巡りをし、ついでにカーヌスティで開催された全英オープンも見てきました。
思い出に残るゴルフ場はなんと言ってもタンベリー。2009年の全英オープンの開催が決まっています。

golf
タンベリー アイルサ コース、キャディのジョンとウイリー

あまり観光はしませんでしたが、興味があったのは以下3箇所。

1)コーボ(COBH)コークハーバーの北に位置する港町
イギリスの統治下にあるときはクイーンズタウンと呼ばれおり、ここから多くの移民が北米、オーストラリア、ニュージランド等へ移住しています。
有名なタイタニック号も、サザンプトン(英国)、シェルブール(仏国)を経由しここから1912年4月11日、ニューヨークへ向け出航しました。
途中ニューファンドランドの南で氷山と衝突。数年前大ヒットしたタイタニックの映画を見ましたが、コーボの博物館には、その時の情景を彷彿させる写真が数多く展示されています。
航海中あまり意識していませんでしたが、ダーマの航路はタイタニック号の少し北側を通っていますが、ほぼ同じ航路を逆行していました。

Cobh
イタニックの最後の寄港地コウボ

2)ダブリンのギネスビール工場
200年以上の歴史を持つギネスビールですが、創始者のアーサーギネスが60エーカーの広大な敷地を9000年契約で借りているそうです。地代は63ドル/日。入場料は一人14ユーロ。
9階は380度のガラス張りで、市内を一望できます。最も興味を引かれたのは、ブランド力を生かし、可能な限り、どんな些細なサービスもお金に換える、今様錬金術です。ビジネスノウハウの全てが凝縮している

3)ラーネ(LARNEA);ベルファースト(北アイルランド)のフェリー乗り場のある町
ベルファーストはスコットランドに渡る最も近いルートだが、テロの多い町との印象を持っており、ベルファーストに行くのを躊躇していた。最近は平和になっているとの事で、このルートをとることにした。
町の人々の表情がとても明るいのに好感が持てた。安全に息をしたり、話をしたりできる事が楽しくてしょうがないといった雰囲気。

以上
Cobh
ジョン・セイリングトレイナー

昨日朝、ダブリン空港で女房を見送り、コークまで250kmをとんぼ返り。
ヨットクラブのバーでビールを飲んでいると、親しくなった地元のヨット「INDULDENCE」にレースに誘われで親善レースに参加。夕方6時半スタート、スピン禁止でホワイトレースと呼んでいる。参加艇10隻。
スタートからフィニッシュまでトップの位置をキープ。上りに入ってからフィニッシュまでヘルムを取る。
途中からワイン呑み放題。フィニッシュの時は皆で「万歳、万歳」を連発。ハーバーに戻ってから夜中まで呑み通し。
今日は若干二日酔い気味。

2週間の間、自分が居ないとやはり修理は進まない。月曜日から本格的な修理に入る予定。



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