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2005年12月

12月19日07時JST タヒチのライアテイアを出港
12月24日 艇不具合により急遽行き先をニュージランドに変更
途中トンガへ寄港の予定
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天気図と軌跡図
DHARMA単独世界一周航海日誌   2005年12月             戻る

12月31日1100JST 後方の一部を除いて全天雲に覆われている。
N5m/s COG270 SOG4.0knt 曇り 33℃ 77% 1008hPA
(現地時間12月30日1700)後方の一部を除いて全天雲に覆われている。モノトーンの世界に入ってきた。前方に一つ。左右に2つずつ強い雨脚を伴った積乱雲が見える。前方に見えるのは2時間前頭上を通り過ぎていったスコール。
視認できるスコールのうち10個に1個の割合で近くを通り抜けていく。一日3〜4回程度。但しこの海域のスコールは大人しい。ここ数日平均8m/sの北東の風が吹いているが、スコールが近づくと一時3〜4m/sに風が落ち30分から一時間の間に風が次第に強まり10〜12m/sまであがる。
これが30分〜一時間続いて元の風に戻る。昼間は2ポイントのメインとフルジブで4.5〜5.0knt、夜間は3ポイントに落とし4knt前後で走っている。スコールに会うとジブを半分ほど巻き、引き気味にした状態でメインを緩め30度程度落として走ると安定する。
但し折角の恵みなので6kntを超えない範囲で速度を上げるようにしている。
夜になるとあちこちで稲妻が光るがこれも大人しい。日本を出て以来多くの稲妻にあったがゴロゴロドーンと音を聞いたのは数度だけ。それもかろうじて聞き取れる程度。台風、雷、地震、何れをとっても日本の天災は凄まじい。

在職中、中東という限られた地域ではあったが、世界有数の産油国であったがため、多くの国々人たちが集まり、アラブ諸国や英仏を中心に欧米の人たちの考え方の一端に触れることが出来た。
罪を憎んで人を憎まずとか過去を全て水に流すといった、日本特有の美しい社会規範は彼らには存在しない様に感ずるが、これは偏に日本の天災に起因するように思える。

戯言を書いているうちに後ろからそっとスコールが忍び寄り、30分ほど土砂降りの雨を置いて過ぎ去ったところ。雨が上がると同時に風落ち、北から北西振れてきた。
これまでも前触れはあったがいよいよ本格的に気圧の谷に入ったようだ。
2006年の初日の出を拝むのは少し遅れそうだ。

12/30/07:45JST 気象予想に大きな変化はありませんが、
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
wam_ship宛てのメールすべて今朝受信できました。HMCのメールサーバーに問題があったのかもしれません。念のため、本日は12時にボイス交信願います。
本日はこのメールが順調に受信できるかを確認するため、負荷のかかる天気図は添付しませんのでご了解ください。
<気象情報>
気象予想に大きな変化はありませんが、南の高気圧が弱まっていますので、風も全般に弱めです。
そのため、北の低圧部南縁の積乱雲域も航路上に多く分布。スコールの頻度も多くなりそうです。
ニュージーの西にも高気圧がありますが、今後一週間ほとんど停滞する見込みなので、ニュージーへの南下はやや厳しい状況です。

HMCからメールサーバーに関するテストメールが入ると思います。迷惑メールではありません。

12/29/20:00JST 目黒さんと艇は引き続き順調に航行中です。
<馬場社長からの情報>
ダーマの近況についてお知らせします。
目黒さんと艇は引き続き順調に航行中です。
12/29/11:00JSTの位置は18.2S−160.0W。速度4.5kt。東の風6-8m/s。
イリジウムのメール通信に不具合があるため、日本時間の毎日12時にボイスで定時交信を行うことにしています。
艇の状況は随時メールでご連絡しますが、年末年始のため遅れることもありますのでご了解ください。

12/28/10:40JST これから数日は東から北東、更には北へと風向が変化します。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
これから数日は東から北東、更には北へと風向が変化します。風速はやや弱く、平均して5m/s前後。12/31GMT頃気圧の谷の中を通過、風向が北西から西へと変わることで谷を感じられることと思います。風速の変化やや大きいものの、MAXでも10m/s以下でしょう。谷の中では北に上るよりSW方向へと航行される方が良いと思います。
12/31GMTの予想天気図を添付します。本船の北西方に低気圧がありますが、これが発達する事はありません。
天候は雲多く、谷付近ではスコールもありそうです。
その後風は再び東に振れ、高気圧の北側に入ったことを体感されるでしょう。風速次第に増加し10m/s前後となる見込みです。天候は引き続き曇り勝ちで、主に右舷側に雲の主力が分布するかと思います。
トンガまでおおむねこの海況で安定しますが、真追手の風になるため、ワイルドジャイブ対策をお考えください。蛇足ですが、小生の場合はワイルドジャイブでマストやリギンへの突然の衝撃(デスマスト等)を避けるためジブ一枚で走るようにしています。
今後のメール送信ですが、日本時間の11時以降に開くようにしてください。

12月27日0300JST 風弱く4m/sを境に帆走と機走を交互に繰り返している。
18−27S 156−19W NE4m/s COG315T SOG4.0kts 晴れ 32℃ 70% 1014hPa
(現地時間12月26日0800)風弱く4m/sを境に帆走と機走を交互に繰り返している。
<馬場社長からの情報>
12/27/11:00に目黒さんと電話で交信しました。
人、船共に異常なし。引き続き風弱く、機帆走中。
現在島の間を航行しているが、これをかわしてから西に進路をとり、21S-175Wのトンガに向にむける。

12/26/09:30JSTT 今後一週間航路上で顕著な気象擾乱の発生はありません。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
今後一週間航路上で顕著な気象擾乱の発生はありません。
ニュージー北島沖には定常的な高気圧があります。15-20S間を西航される場合、当面北〜東よりの風(風速は10m/s以下)が多く吹くでしょう。
添付の12/30の予想図では、フィジーの東から南東方向へ谷がのびています。予想ではこの谷は深まる傾向にありますが、低気圧本体は25S以南へ移動する見込みです。ただし、谷の影響で一時西よりの風が吹くかもしれません。
今後の予定ですが、フィジー等の島へ寄られますか?それともニュージーまで直行されますか?
いずれにしても、ニュージーへのアプローチは、航路とニュージー北島の間にある高気圧の中心がどのあたりに位置するかで大きく変わってきます。高気圧の中心の西側を南下しなければなりませんが、場合によってニュージーより一旦西側に出なければならないかもしれません。
また、ニュージーの南を周期的に低気圧が通過しますので、できればタイミングをずらせたいと思っています。

12月26日0300JST 東方にフレンチポリネシアに所属するソシエテ諸島、
19−44S 156−39W NE4m/s COG315T SOG5kts 機帆走 晴れ 32℃ 81% 1015hPa
東方にフレンチポリネシアに所属するソシエテ諸島、西方にニュージランド所属のクック諸島が広がり、その間を抜けて北西に向けて進んでいる。
新たな気象情報が入るまでの間15S-160Wに向いここからオーストラリア/ニュージランドへ向かう帆船航路に沿って、西南に進む予定。
ライアテア入港前にやはりニュージランドに向かう選択肢も考えたが、既にサイクロンのシーズンに入っていること、ケープホーンが 遠くなることなどからライアテア入港を決定した経緯がある。
2日前例えサイクロンを避けながらでもニュージランドに寄港し一年間納得のいく整備をすることに決定した。つまりケープホーンを廻るにあたり「現在のDHARMA を一人で安全に世界中何処の海でも走れる船に仕上げる。」のが目的。この目的は船を選定したときの設計思想と全く同じ。
船首部の漏水箇所については、漏水の度合いが確認できるように荷物の大部分を船体中央部の通路に移動し固着した。又漏水しているコンパートメントのバルクヘッドの下部にドリルで5mmの穴を開け簡単にトイレに排水できるようにした。
海況が穏やかな事。溜っていた水を排水したこと(バケツ5杯程度)。バウの荷物を中央に移したことなどから漏水量は著しく減少し今のところ一日バケツ3分の1程度。

check
船内をチェック中

バックアップ用のPCが突然動かなくなった原因は不明だが強いてあげると、バッテリーを充電しようとして十分充電出来ないうちにスタートさせたことが考えられる。 数年前自宅で同じ問題が起こり状況を説明し修理しようとしたがマザーボードが壊れ ているとの説明であった。既に古くなっており現在使用しているより小型のPC「I BM X31」に買い換えた。
現在PCのバッテリガーが常に充電されるようにイン バーターを稼動させている。PCの主な利用目的はイリジューム通信を使って気象情 報を入手することにある。航海中であったヨットの多くは航海中「xxx@sailmail.com」というプロバイダーを使って通信や気象情報を入手していた。
アマ無線の通信機を利用しているらしい。同様にオートパイロットの方も常に電源を入れ、浸水或いは湿気が入らないようにカ バーを着け、接続部を再シールした。カナダで改良された2種類のウインドベーンを 見る機会があった。いずれも本来のラダーとは別にラダーと同じ位頑丈な補助ラダーを駆動させるタイプ。
一台はベーンがパドルをスイングさせその力で補助ラダーを動 かしている。もう一台はベーンが昼u桴セ槓篏・薀澄爾魘酘阿気擦襯織ぅ廖・い困譴皀Εy・凾タンドベーン使用中、本ラダーは必要に応じ適切なヘルムが得られる位置で固定されて いる。
どちらもアルミ製で軽量且つ頑丈な作りであった。後者についてはもし必要なら半値(新品は7千ドル)で譲るとの申しいれがあった。心は動いたが、当人の使用実績が極めて限られていることからお断りした。いずれのタイプも多きなメリットが2つある。
一つは長期航海の頭痛の種となる補助ラダーを兼ね備えていること。もう 一点はオートパイロットで直接ラダーを駆動するのではなくベーンに直結することにより従来より格段に少ないパワー(おそらく10%以下)でオートパイロットの機能 を満足出来ることにある。
今の所使用中のウインドベーンを補強しながら何とか乗り切ろうと思いつつも、使用実績、サイズの問題、費用など解決できれば再考の余地ありと考えている。何れにせよこれまではあれも必要、これも必要かもしれないと思うに任せどんどん積荷や設備を増やしてきた。今後は如何に積荷や設備を減らし軽量化させることを考えw)刋タ凾タる時期に来ている

12月25日 目黒さん急遽予定を変更(行き先をニュージランドに変更)
<橋本さんへ入った連絡>
お世話になっております。予定にあわせ航海を継続するつもりでライアテアで約1ヶ月を費やしケープホーン回航にむけて準備してきました。 出航後一月前まで問題がなかったオーパイ(3台のうち2台)やバックアップ用のパソコンが使用不能になっていることが判明。船首部でも漏水が完全に止まっていないことなどもあり
昨日急遽行き先をニュージランド(オークランド)に変更しました。
ケープホーン回航を1年延期し、ここで再整備とシェイクダウンをすることになります。色々とお世話になり多大なご迷惑をおかけしてきましたが以上取り急ぎ連絡いたします。今後とも宜しくお願いいたします。
尚航海中の交信記録は引き続き気象海洋(社)経由で配信いたします。

文末になり恐縮ですが、師走の最中、皆々様忙しい日々を過ごされている事と思います。
実りある良いお年を迎えられるよう遠く南太平洋の彼方から祈っています。


目黒拝

12/24/07:26JST 航路上の気象に変更はありません。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
航路上の気象に変更はありません。12/26/00Zの天気図を添付します。
高気圧は移動するというよりも、拡大と縮小を繰り返しているといったほうがいいかもしれません。
一方、低気圧は、高気圧が縮小しているときに本船西方に出現し、30-40ktの速い速度で南東方へ移動します。35N以南に南下しなければ直接の影響はありません。むしろ低の出現は航路上の風を北〜北西に変えてくれます。
海流については、航路上には定常的な流れは確認できません。渦流が多く存在しています。

今日から明日は今年最後の一泊クルージングに出かけます。明日の予報は電波状態が悪ければ送信できない可能性があります。ご了解ください。

12月23日0700JST(現地時間12月22日1200)出航後ライアテア島を離れてから、
現在地19−34S 151−57W。SE7m/s COG220T SOG4.0kts 快晴 32℃ 68% 1014hPa
出航後ライアテア島を離れてから、極端に風が落ちたときを除き、のぼり一杯で帆走を続けている。風の振れを効率よく捕まえるため出来るだけウインドベーンを使うようにしてきたが、風が弱くなったときジブに裏風が入りタックしてしまうので現在はオートパイロットを使用している。
予報ではいずれ風が東から北東に変わるのでリーチングで走れるようになった時点でウインドベーンに換える予定。
再出航以来、これまでになく小まめに船内の点検を続けている。出航前に漏水テストをし漏水のないことを確認したが、実際に走って見てある程度艇体にストレスをかけないと僅かな漏水箇所を見つけるのは難しい。昨日点検中にスピードメーターのスルハル部分で僅かな漏水を発見。
水中パテを摺込んで漏水を止めたが他にも可能性はある。海況が穏やかなため今のところ大きな漏水はない。これまでデッキからの漏水ばかり気にかけていたが次回上架するときは全てのスルハルの再チェックが必要。午後はエンジンの点検を予定。

馬場様
気象予報図有難うございます。シミュレーションの結果が前回と比べ大分変わりましたね。南東に進む高気圧を追いかけるイメージが良く理解できました。
南東に向かう高気圧の速度はどの程度でしょうか。又出航以来どちらかというと南南西に向けて走っていますがその割にリーウエイが少ないような気がします。
この付近東に向かう海流があるのでしょうか。後を追いかける低気圧の事も気になりますが当面この方向で進むようにします。

12/22/09:20JST 後24時間は南東の風が続きます。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
後24時間は南東の風が続きます。その後徐々に風は東に振れてくるでしょう。
当面25S付近まで南下され、その後風の具合を見て南東へコースをとられることをお勧めします。南当方へ移動する高気圧の後を追う形です。西から進んでくる低気圧の高波高域が35Sより北に上がることはないと思われますが、当面はコースの南限を35S付近に設定してください。
全般に風はやや弱めですが、5m/s未満の弱風の出現もないようです。

12月21日1100JST(現地時間12月20日1600)2日続きの晴天で修理が思ったより早く進み
現在地16−57S 15129W SE8m/s COG180T SOG4.0kts 機帆走 晴れ 31℃ 78% 1011hPa
2日続きの晴天で修理が思ったより早く進み本日現地時間1500ライアテアカーネッジの仲間に見送られて再出航。
南ポリネシア風の挨拶に従い一人づつ頬っぺたキスをしているうちに元来涙もろい自分のまぶたが少々濡れてきた。皆に気づかれないうちに舫を解いてもらい出航。ヤードの前をひとまわりして最後の別れをする。
途中沖留めしているSerannityのリュウとアン夫妻に声をかける。昨夜は彼らの船で豪華なステーキをご馳走になった。彼らも2年後にニュージランドに行く予定とのことで再会を約して別れを告げる。

12月20日 昨夜現地時間2000ライアテアから約50海里南下した地点で、
馬場様
JST12月20日0100(現地時間12月19日0600)
昨夜現地時間2000ライアテアから約50海里南下した地点で、船首のチェーンロッカーの下部から浸水しているのが判り、修理には上架が必要なことから引き返すことにしました。浸水の程度は一時間に約5リットル。チェーン詰まりを解消するため、チェーンロッカーのレベルを下げたのが今回の補修項目の一つ。チェーンロッカーの水抜き穴からチェーンロッカーまでの間約5cmのところでチェーンロッカーの下部に導通しているのが原因と思われる。
現在地はライアテアの南端から南西へ5海里。入港は現地時間1000を予定。修理期間は3日〜4日程度と予想。完了しだい出航予定。ライアテアカーネッジで修理の内容と日程を相談の明日又連絡します。

 追記
その1)8mm×30mのチェーンを装備しているが、引き上げるとき10m毎にチェーン詰まりを起こしその度に船内に入りスペースを作らねばならなかった。単独作業は危険なためこれを解消するための工事。
チェーンの延長のため、15m購入したが30mを超えるところで詰まりを起こすのでこの分は置き土産とし、従来どおり30mとした。又ウインドラスのチェーンの入り口から入る水がこれまでの漏水の原因の一つとなっていたので現地のセール屋さんに頼み防水カバーを作成その上にバケツをかぶせ万全を期した。それ以外にも天板をはがしデッキ部の漏水の恐れのあるところは殆どすべてチェックした。
更にあちこちに防水カバーを用意し現地でヨットを見慣れている作業員の失笑を買うほどの準備をしたのにが思わぬところから浸水。早めの発見と海況が穏やかなことが不幸中の幸いと状況を受け止めることにしている。

その2)滞在中、現地でサーベイヤーの傍らタヒチパールレガッタを主催しているヘンリーの船を見る機会があった。10年前フランスのラ・ロッシェル出航、日本を含め数年に及ぶクルージングの話も聞いた。彼の船は37ft、船齢15年。自作の経験もあり、現在の船もハルとデッキの以外は全て自分で装備。15年間一度も装備の変更をしていないとの話に感嘆した。艤装はいたってシンプル。床板もなく漏水箇所に簡単にアクセスできるようになっている。
沈没の恐れのある時はダブルベット大の丈夫なバルーンを船首と船尾に2個用意しておりライフラフとは持っていない。エンジンは8HPのヤマハの船外機一個。小さなコクピットの開口部から上げ下げしている。出入港以外は全てセーリング。電源はソーラーパネルのみ。水タンク容量は200リットル。この船で今年のパールレガッタでは2位(クルー2名、計3名で操船)。たわみにより原因不明の漏水は避けられないそうだ。
目黒拝

12/20/11:20JST 修理の件了解しました。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。
修理の件了解しました。
12/24-25頃の気圧配置は、高気圧がタヒチの南東方へ移動しています。
タヒチの南20Sでは東の風。25Sでは東北東、30Sでは北〜北西となるので、再出発後の航路もやはり一旦南下した後東へというコースになるかと思います。
次の低気圧は12/28以降40S-45S間を通過する見込みです。30S付近まで南下すれば北〜北西の風に出会えるでしょう。

12月19日 出航して5時間経過、ライアテアが次第に遠ざかっていく。
JST12月19日1200(現地時間12月18日1700)
出航して5時間経過、ライアテアが次第に遠ざかっていく。出航時にはっきり見えたボラボラの島影はもう見えない。変わって左舷後方にHUAHINE(フアヒネ)島がうっすらと見える。
これから先、環礁を避けながら進むのでケープホーンに辿り着くまでは陸地を視認できることはないだろう。
今のところ弱い東風の中機帆走で南南東に進んでいる。風が北に変わるのを待ち35°S−105°Wに向かって進む予定。気象予報では風が北に変わるのは一週間後となる見込み。
35°S−105°Wに辿り着いたらチリ沖に発達している高気圧の西側を通ってケープホーンに向かう。
以上が今朝出航直後に気象海洋の馬場社長と相談して決めた航路のシナリオだ。

予定では2週間で補修を終え12月初旬にライアテアを立つ予定だったが思った以上の時間を要した。結局ボラボラに1週間、ライアテアに4週間滞在したことになる。

ライアテア滞在中に折角ここまで来たのだから空路タヒチに行く事を考えていたがとんだ見込み違いだった。ドジャーを作成したマリナル社の仕事仲間から休日は魚釣りに誘われたりしたがそれも断り修理に明け暮れた。
ある休日の夕方陸揚げした船の上で作業をしていると遠く沖合いから、タミオー、ヤポネー、サムライ、カミカゼなどの叫びが聞こえてくる。大体タヒチの人たちは体格がいいのだがその中でも一際大きなルカの叫び声と判る。
20mほど離れた船着場で出迎えると3mはあるブルーマーリンがその日の釣果、重量は260ポンドとの事。ルカは左手に5針は必要と思われる怪我をしているが平気で解体作業をしている。夕暮れになり作業が終わってから仲間入りして、ルカの手を手持ちの医薬品を使い消毒してからビールで乾杯。

DHARMA in Tahiti DHARMA in Tahiti
休日は釣り。釣果は120kgのブルーマリン        大成果に皆大満足

マリナルから修理の元締めライアテアカーネッジに移ってからは作業項目が増え更に忙しくなった。現地語はフランス語かタヒチ語でまともな英語が話せるのはマリナルのボスアランとライアテアカーネッジのボス、ドミニクとフレッドのみ。この3人はやたらに出回っているのでゆっくり打ち合わせができない。
作業員がひとつの工程が終わるたびにタミオー、タミオーと叫び確認のためあちこち動き回ることになる。また作業工具や材料なども限れれており、一つの工程が終わると材料の買出しに行く。それでも皆気持ちよく働いてくれ何とかギリギリのタイミングで作業を終えることができた。
見栄え等を含め完成度は70%程度だが機能的な目的は果たせたので満足している。

やっと海に出られてホットしているところ。では又

目黒さんは日本時間の今日12月19日07時にライアテイアを出港されました。
<馬場社長からの情報>
目黒さんは日本時間の今日12月19日07時にライアテイアを出港されました。
現在風弱く、ライアテイア南端を機帆走中。この後35S付近を東航する予定です。
電話連絡でご本人、艇ともに元気です。
ホーン岬までかなりの長丁場となりますが、今後とも御支援を宜しくとのことです。

12/19/09:00JST 南東へ進むには風の条件は東〜南東が多くあまり良くありませんが、
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
了解しました。
南東へ進むには風の条件は東〜南東が多くあまり良くありませんが、その場合は南へ降りるしかありませんね。
風速はおおむね10m/s以下で良好です。30Sまで南下されるころには、西から谷が近づき北よりの風が吹くようになります。
予想が大きく変わらない限りは35S付近を南限として東へ進まれるようにしてください。
今日12/19出港として計画されたコースでのシミュレーション図を添付します。
バックの天気図は12/26の予想です。

12月18日 作業はどうやら終わりに近づいてきたが未だ若干の追加や手直しが残っている。
馬場様
結局週末まで作業が延びてしまいました。今日土曜日はドミニクに頼んで休日返上で残りの作業を続けてもらうことにしました。出航は明日日曜日を予定しています。
今のところ25S-140W(800NM), 30S-120WをWaypointとし、この間風が南に回ったら東進むことを考えています。
出航時(JST12月19日10時前後)一度電話します。

DHARMA in Tahiti
出航前夜ビールで乾杯

12/18/09:30JST タヒチの南30-35S間には高気圧が東西に伸びています。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
タヒチの南30-35S間には高気圧が東西に伸びています。高気圧は徐々に東へ移動しますが今後一週間大きな変化はないでしょう。
したがって、タヒチから東に航行することは難しいので、次の航路をご提案します。
タヒチから東よりの風の中を南下され、高気圧の西縁で北よりの風が吹き始めたら、徐々にコースを南東に。高気圧の動向を見ながら、35-40S間を東進。
12/25/12Zの予想天気図を添付します。この気圧配置が期間中持続すると見てよいと思いますので参考にしてください。

12月16日 作業はどうやら終わりに近づいてきたが未だ若干の追加や手直しが残っている。
JST12月16日(金)0230 現地時間12月15日0730 晴れ 28℃ 80% 1010hPa
作業はどうやら終わりに近づいてきたが未だ若干の追加(オートパイロットやハッチの防水カバー等)や手直し(最近見つかった漏水箇所の水止め)が残っている。
3日前これまで修理を担当していたフレッドと助手のヒロが突然いなくなったのが更なる遅れの原因となった。タヒチ東方のツアモツ群島の環礁でヨットが座礁しその救援と補修のため腕利きのフレッドと小回りの効くヒロが急遽現場に行ったためだ。
ここ数日見慣れぬ大型艇が数隻沖合いに投錨しているがタヒチ周辺の天候が悪化したためと思われる。

DHARMA in Tahiti DHARMA in Tahiti
   時化の後、見慣れぬ船が数隻投錨     ベテランヒナノオートパイロットのカバー製作中

昨日のドミニクの話では彼らが戻るのは金曜日になるとの事であった。現在ドミニクの息子ニコラ(18歳の高校生)がクリスマス休暇を利用して助手を務めてくれるので何とか作業を進めている。カンバスやプラスチックを利用した裁縫関係はヒナノが引き続き作業し、人手が必要なときは手伝ってもくれるがこちらが彼女の作業の助手を務めることも多い。

DHARMA in Tahiti
最後まで付き合ってくれたシモンとヒナノ

全ての作業が終わるのは金曜日になりそうなので土曜日乃至は日曜日の出航を予定している。

12/15/09:30JST 12/16/09JST出港予定とした気象概況をお伝えします。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
次航海の準備は如何ですか?
12/16/09JST出港予定とした気象概況をお伝えします。
タヒチの南では低気圧と高気圧が交互に通過しており、今後もこの傾向が続きます。低気圧の通過時は西よりの風となりますが、発達するため広い範囲で時化が予想されます。一方、高気圧の通過時は南東〜東よりの風となります。
タヒチ付近から南東方には定常的な低圧場がのび、その東側のチリ沖にはこれも定常的な高気圧が存在するでしょう。
そこで、これからの航路ですが、偏西風域の北端(40S付近)まで南に下がるのは厳しい状況です。低気圧が通過する際には南から東にコースを変えれば良いのですが、その後ろから来る高気圧からの吹き出し風の方が航行には不利な条件となりそうです。
一方、タヒチから130Wまで東航するルートは、谷の中を通過するため風の弱い場が多く安定しません。130Wまで距離約1200マイル、5ktでも10日間の航程なので、機走に頼るわけにも行かない距離です。
この中間のルート、つまり、タヒチから北よりの風のあるうちは南東へ向かい、高気圧からの南東風が吹きだしたら北東へ、更に北東風に遭遇した時点で再び南東へというルートです。
以上ご参考まで

12/13/09:10JST 出港から一週間後までの平均的な気圧配置をご覧頂くため、
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
プリペイドの更新完了です。
出港から一週間後までの平均的な気圧配置をご覧頂くため、12/17/00Zの予想天気図を添付します。
ポイントはタヒチ付近から南東にのびる谷の存在です。谷の東側130Wに出るまで、不安定な弱風域を通過する必要があります。一旦南に出ることも選択肢ですが、南を通過する谷との兼ね合いがあります。出港直前の週間予報から最終決定をされてはどうでしょう。
チリ沖の高気圧は安定しています。ドレークへはこの高気圧の縁辺を航行することになります。
イースター島はこの高気圧の北西端にあり、周辺では東よりの風が続くと予想されます。高気圧がもう少し北へ膨らむとアプローチもしやすいのですが、現在の状況では200-300マイルを上りで走らなくてはならないのでややきついかもしれません。


DHARMA in Tahiti DHARMA in Tahiti
ヘンリの愛艇15年経つが昨年のパールレガッタでは2位          ルナシー船長デュパール

12月11日 作業が遅れ、結局週末をライアテアで過ごすことになりました。
作業が遅れ、結局週末をライアテアで過ごすことになりました。数日前より雨天が多くなりこれも作業の遅れの原因となっています。
通常9月から3月にかけて雨のシーズンになるようですが、今年は天候が不順でこれまで運良く天候に恵まれてきました。
出航は日本時間木曜日頃になりそうです。月曜日には工事が終わる事になっていますが2日程度の遅れと最終チェックの時間を見込んでいます。
今のところ130W迄東行するコースを考えています。その後風の具合によっては必要に応じ燃料補給を考慮しイースター島に向かうコースを視野に入れています。
ハワイでフレンチポリネシアのチャートを入手した他、バックアップ用に購入したGPS(SI−TEX/NAVIMATET)に組み込まれているマップに全海域の水深と全ての環礁が網羅されているので環礁をかわすことは可能と考えています。

DHARMA in Tahiti DHARMA in Tahiti
ライアテアカーネッジの仲間ペニーとジョー(右)        新設のハードドジャー


DHARMA in Tahiti DHARMA in Tahiti
8ミリのフレックスグラスを取り付け         かさ上げしたスターンロッカー


DHARMA in Tahiti DHARMA in Tahiti
コンパニオン入り口のカバー        ボスのドミニク、人手不足で珍しく作業中

12/09/10:25JST 12/12/00Zの予想では、同日頃タヒチの南に低気圧が発生。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。船検の情報など有難うございました。
<予想海況>
12/12/00Zの予想では、同日頃タヒチの南に低気圧が発生。発達しながら南東へ進む見込みです。この低気圧は12/16以降南氷洋上を東進する低気圧に吸収されると予想され、その後再び南東太平洋では再びタヒチの東からドレークへかけて気圧の谷が形成されるでしょう。
<推薦航路>
タヒチの南に発生する低気圧の影響で、タヒチ南方海域は海況の悪い状態が続きます。また、今後も周期的にタヒチ南で低気圧が発生、南下するものが出てくる可能性があります。従って、南下航路は海況面からは得策ではありません。
タヒチからコース90度で東航され、130W付近から気圧の谷の東側(チリ沖高気圧の西側)の北西風を捕まえてドレークまで南下されるのが良いようです。
東航時の風は北西〜北より、一時南よりの順風。
問題はタヒチの東側には多数環礁が点在している事です。このこれらの環礁をかわす事が出来るコースをご検討ください。20Sまで南下して東航すると、12/16以降西から張り出す高気圧の縁辺で東よりの風に遭遇し、東航が困難になる可能性があります。従って、環礁により東航が不可能な場合は南より北へ向かう方がベターです。

もう一通のメールに12/14/00Zの天気図を添付しておきます。
土日も一回はメールをチェックしますので、御質問等あればお送りください。

12月8日 本日日本時間で木曜日、出航手続きを完了しました。
詳細な情報有難うございます。本日日本時間で木曜日、現地で19時間遅れの水曜日になりますが出航手続きを完了しました。
作業のほうは外注していたハッチやチャートテーブルに組み込むラップトップの収納ボックス等が届きました。ハードドヂャーに取り付けるカバーの製作、ウインチやコントロールの再配置等の作業を残しています が2日程度で何とか完了させる目処がつきました。
最終確認作業と艇内の整理が残るため出航は12月11日ー日曜日(JST月曜日)の可能性が高いと思います。
JST金曜日に48時間予報をお願いします。航路選定につきましては安全を優先しますが最終決定は就航後になると思います。

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12/06/09:35JST 航路選定に当たり予想天気図を検討していますが
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
メール受信順調です。
航路選定に当たり予想天気図を検討していますが、次のような傾向が見つかりましたのでご連絡します。
気圧の谷がタヒチから南東に伸び、高気圧がこの谷を挟んで二つに分かれていますが、この傾向は今後もしばらく続くものと予想されます。
谷の東側に注目すると、北西の風域が南東にのび、ドレーク海峡にまで達しています。添付の12/13/00Zの予想天気図を参照してください。
そこで、航路の選択ですが、
第1案は昨日お伝えしたように、タヒチから一度南下し、高気圧の南側に出てから偏西風を拾う航路です。
この航路の利点は距離が短くなる事。欠点は南を通過する低気圧の影響で時化の頻度が多くなることです。
第2案はタヒチから一旦東に向かい、谷の東に出てから南東へ進む航路です。この航路の利点はドレークまでほぼ追手で走れる事。時化の頻度は少ない事です。欠点はタヒチを抜けて谷の東側に出るまで弱風域に入る可能性があることと、距離が長くなる事です。燃料を十分に持つ必要があります。

上記の気圧配置は小生がタヒチからドレークへ向かった1996年12/末頃にも出現していましたので、比較的定常的に出現する気圧配置と思われますので、第2案も検討に値すると思います。イースター島への寄港も不可能ではありませんが、今夏にドレークを通過される計画に変更なければ、今回は時間的にみて緊急時のみと考えた方が良いでしょう。

12/5/09:35JST タヒチ周辺は引き続き弱い気圧の谷にあります。
<馬場社長から目黒さんへの気象情報>
<概況>
タヒチ周辺は引き続き弱い気圧の谷にあります。今後の気圧配置の傾向は、25S以南で高気圧が東西にのび、50S以南を低気圧が東進する形が多く出るものと思われます。強い西風は40-45S以南ですが、低気圧が通過する際にはこの強風軸が35S付近まで北上します。
<推薦航路>
高気圧がタヒチの南にあるため、この高気圧の南へ出るまでは東あるいは南東へコースを向けるのはやや困難かと思われます。勿論、南東へ向かえるようであればこの限りではありません。
当面南下され、南を低気圧が通過する際の偏西風の北上を待って東へと進路を変えられることをお勧めします。
ただし、40S以南に南下すると、低気圧の通過時に海況が悪化するため、当面は35S付近を南下のリミットと考えてください。



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