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9月1日、日本時間2300にポートエンジェルスを出航
9月22日、日本時間14時、無事ハワイに入港!!!
ハーバーはオアフ島の ハワイヨットクラブ という名門ヨットクラブです。
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天気図と軌跡図
DHARMA単独世界一周航海日誌   2005年9月             戻る

9月24日(土)0500JST(GMT9月23日2000、ハワイ時間23日1000)
現在地 21°17′187N /157°50′570W
<コメント>
ハワイ時間9月21日午後2時熱低に先駆けて無事アラワイヨットハーバーに入港。ハーバーの入り口にある給油所で給油をしながら、もやいを取ってくれた女性(カズさん)にハーバーマスターから指示されたバース番号855の場所を確認。給油後バース855に向かって桟橋を離れる直前カズさんが真剣な面持ちで、「ここにはヨットクラブが2つ(ハワイYCとワイキキYC) あり、もし日本のヨットハーバーの会員であるならヨットクラブのほうに停泊した方が良い。アラワイ(公営)の800番台はゲスト用だが浮き桟橋がないのでポンツーンから舫いを取らなければならない。一人で舫いを取るのは難儀する。
ヨットクラブの方がセキュリティもいいしシャワーバー、レストラン等施設も整っている。まずそちらに行って駄目ならアラワイハーバーに留めたらどう。」と小声でアドバイス。彼女の忠告に従って50mほど離れたハワイヨットクラブのゲスト用と思われる浮き桟橋に舫いをとる。

DHARMA in Hawaii
ハワイヨットクラブのクラブハウスの最も近い桟橋に停泊

船籍票等の書類と葉山ヨット協会の理事長松田菊雄さんがサインしてくれえた紹介状を持ってハーバー事務所へ。松田さんはソ-ルオリンピックのヨットチームのヘッドコーチを務めた方で日本ヨット協会の大御所的存在。
日本を離れる10日ほど前、葉山整形外科の山下院長を訪ねた時、会って欲しい人がいるので病院が閉まるまで待って欲しいといわれその日初めて松田さんにお会いした。
その晩3人で痛飲し2軒目に入った松田さんなじみのスナックの壁には、先のオリンピックのヘッドコーチの小松さんはじめ、箱守さん、松山さん等日本のヨット競技を支えているビッグネームのサイン(落書き)がズラリと並んでいる。「お前も何か書け。」といわれこちらも酔った勢いでママさんから受け取った太いマジックインクで何か書いた記憶がある。
その松田さんから「役に立つことはないか?」といわれお願いしたのが今後お世話になるであろうヨットクラブ宛てに書いてもらった紹介状。
カナダでは使う機会がなかったがここハワイに来てその効力を発揮。女性の事務員がこちらの説明を聞き、5分で手続き完了。施設は好きなように使っていいよといいながらしゲートに入る為の磁気カードを手渡してくれた。そんな訳でハワイ滞在中は1901年設立の伝統あるハワイヨットクラブのゲストとなった。住所・連絡先は以下の通り。

Tamio Meguro of DHARMA C/O Hawaii Yacht Club, 1739−C Ala Mona, Honolulu, Hawaii, 96815-1492 Phone : 001-808-949-7141

その後アラワイヨットハーバー(公営)のマスター室を訪ね事情を説明。三河ヨットの堀江社長から送って貰ったウインドベーンのパーツを無事受領。クラブに戻りカスタム(税関)に電話。エージェントが1時間以内に行くので待機するようにとの事であったが、間もなく先方より電話があり。ビザを既に持っているので本人の入国は問題ない。明日クルージングライセンス等の船舶関係の書類を持って税関に来るようにとの事。
翌日カスタムを訪ねると「ポートエンジェルスでは出港証明(ポートクリアランス)を作らなかったのか?」といわれ、その場で初めて今度はホノルルの入港証明書(ポートエントランス)を作成。船籍票を取り上げられ、出港の準備が出来たら出港日の2日以内に出港証明書を持ってくるように、船籍票はその時まで税関で保管するとの事。手続きに要した費用は25ドル。尚クルージングライセンスは国家間の相互取り決め(運転免許証にも同じような取り決めがあった事を記憶している。)の下に発行される。
例えばドイツとは協定があるが、日本と米国間ではそのような取り決めがない。余談だが沖縄で会った米国のヨットが日本をクルージングするのに日本の遠洋航海手続きをしないと行きたいところへいけないと嘆いていたのを思い出す。
日本はヨット後進国であることを改めて認識。又カナダとポートエンジェルスで貰ったカスタムナンバーはカナダのブリティッシュコロンビア州と米国のワシントン州との取り決めの下に発行されるものでハワイでは正式な出入港手続きが必要。再度米国に入港する場合3ヶ月以内ならば更なる手続きは不要。さもなければ、入港前に米国領事館のある国で事前にビザを取得しておく必要がある。バルバドス、バハマ、プエルトルコ等予定航路上の国々に米国領事館があるのでそこに立ち寄りビザを取得するようにとのアドバイスあり。以上で税関での入港手続き完了。
行きはタクシーで行ったが帰りは食事をしたり、本屋等に立ち寄りながらテクテク歩きで5時間かけてクラブハウスにもどる。未だ到着して2日目なのでノンビリ過ごしている。夜は10時までクラブハウスバーにメンバーが集まっているので1〜2時間顔を出し歓談しながら久々のビールを楽しんでいる。
クラブの主要なメンバーには挨拶している。ポートキャップテンから桟橋の先頭にベネトウ40ftが舫ってありその船に横付けして置いた方がプライバシイを守る上から好ましいだろうとのアドバイスがあり今朝船を20m程移動。
これから給油所にあるランドリーサービスで洗濯をしその後チリの領事館を訪ねる予定。


9月22日(木)0100JST
21°29′N 157°15′W  ENE7m/s COG230T SOG6kts晴れ
27°C 77% 1013hPa
<コメント>
入港できそうです。引き続き宜しくお願いします。

何時ものように見渡す限り積雲が水平線を覆っているので劇的なランドフォールは体験できず。
ハワイにはこれまで3度訪れている。内2回は独身の時で長い米国出張の帰りに骨休めと称して夫々一泊している。3度目は海外赴任中で出産のため身重の妻を実家に送り届ける途中だった。当時運行していたパンナムの世界一周便で、偶々フランスにいた姉のところに遊びに来ていた母親を伴い、中東ー欧州ー米国本土ーハワイ経由の大旅行だった。
何とかハリケーンを回避し予定期間内に無事入港したかった理由の一つに、その時生まれた一人娘が一週間後に訪ねてくるというのがある。

夜明けと共に左舷100マイル先に頂を雲に覆われたハワイ島、左舷前方にモロカイ島とマウイ島が連なって見える。右舷前方30マイル先にオアフ島、オアフ島の突端に離島のように見えるのがダイヤモンドヘッドだろう。このまま南西方向に進路を取り、オアフ島とモロカイ島の間にあるカウイ水道を抜けダイヤモンドヘッドを過ぎたところからオアフ島に沿って西に進むと間もなくワイキキビーチが見えてくる
その先が目指すアラワイヨットハーバー。昨日電話で翌日午後2時頃に入港する旨告げたところ、バース番号847と855番が開いているので何れか好きな方に舫いを取って良いとの事であった。

DHARMA in Hawaii
ダイモンドヘッドを右に見てワイキキへ


9月21日(水)0300JST
22°50′N 155°37′W  NNE7m/s COG230 SOG4.5kts 晴れ
30℃ 73% 1017hPa
<コメント>
早朝より帆走。風力発電機の風きり音と波の音だけが聞こえる。久々の静寂。ここ3日間風弱く機走を続けた結果熱低より大分早くハワイに到達できる見通し。ホノルルのワイキキビーチのすぐ西側にあるアラワイヨットハーバーまで150海里。ハワイ時間明日(9/21)正午には入港できるだろう。 ハーバー事務所には1週間ほど前、9 月22日前後に入港する旨伝えている。先方より入港の前日再度連絡するようにとの事であった。

9月20日(火)0500JST
24°12′N 153°59′W SE4m/s COG230°T SOG5.5kts曇り
29°C 71% 1017hPa
<コメント>
風が大分予想と違っています。残り間もないので熱低情報とあわせ24時間先の予報送付お願いします。

期待してした風が南東に振れ上りになった。が何れにしろ弱い。出来るだけセイルを上げるようにしているが波にあおられる時はセイルを降ろし機走している。燃料が少し心配になってきたが、入港用に少量残し適当な風が吹くまで走れる限り走ることにしている。それにしても今日は蒸し暑い。


9月19日(月)0200JST
25°52′N 151°50′W COG230°T SOG5.5kts ESE5m/s 晴時々雨 26℃ 75% 1019hPa

<コメント>
昨日夕刻より風落ち機走。早朝風が東北東から東南東に変わる。風弱く引き続き機走。時々帆走を試みるが直ぐに風が落ちる。土用波のようなゆったりしたうねりが風上から入ってくる。熱低の影響か?機走期間中にシドニーで修理した造水器のテスト実施中。調子は上々。5L/HRで稼動中。

9月18日(日)0500JST
27°08′N 150°13′W 晴れ 27°C 71% 1034hPa ENE10m/s
COG230°T SOG5.5kts

<コメント>
順調に走っている。この風が続けば21日午後には入港できる可能性あり。

DHARMA in Hawaii
ハワイ近し二つの虹は幸運の兆し


9月17日(土)0400JST
28°27′N 148°14′W ENE8m/s 晴れ 27℃ 68% 1026hPA COG230°T SOG5kts

<コメント>
昨日の熱低情報ではハワイの手前600海里付近で滞する可能性あり。現在考えられる一番の安全策は早く入港する事。夜間風が落ちた時は機走。平均速度5ktsをキープしながらハワイに向かっている。

9月16日(金)0600JST
29°45′N 146°29′W 晴れ27℃ 30% 1026hPa COG220T SOG4.5kts

<コメント>
ハワイまで785海里。早ければ22日、遅くとも23日には到着出来そうだ。一方昨日の気象情報ではハワイの東方に熱低が発生し19日から20日にかけてハワイの北側、つまりDHARMAとハワイとの間を西に向かって通過する可能性がある。迷走しなければの話だが。この熱低の動きを頭に入れながらはしる事になる。

ここ数日、空を眺めて雲と風の動きを追っている。現在太平洋高気圧の東側から南側に抜けようとしている。 これに合せてかぜが北から東へと徐々にシフトしている。明け方は風弱く日が差すに従って平均風速が5m/sから8m/s時には10m/sまで上がる。 これは日中気温が上がり風船が膨らむように高気圧の周辺部での空気の動きが活発になるからと解釈できる。 上空には小型の綿雲(積雲)が沢山浮かんでおり風に乗ってゆっくり流れている。この綿雲が後方から近づいてくると一時的に風速が弱まり、頭上を過ぎる頃から突然強まる。 雲が遠ざかると又もとの風速に戻る。つまり綿雲は付近の空気を集めそれが上昇気流となった結果として形成される、。 風の落ちる程度でどの程度まで風が強くなるかを予測する事も出来る。この雲の周りにヨットレースの海面と自分の位置を想定し、どの様なコースを引いたら早く走れるかを考えている。 これといったレースの実績はないがレースへの興味を失った訳ではない。

夜になると目的地に向かい、安全に出来れば早く走る事、つまりクルージングの鉄則を実践する事になる。 カナダに向かった北太平洋での強風は日本近海を通り抜けアラスカ湾に向かう低気圧から派生する前線が強風の主な原因となった。 ここでは夜になると昼間の数十倍、あるいはそれ以上のスケールで積雲が発達し、予想外の強風が吹く。 昨夜は8m/s程度の東北東を受け気持ちよく走っていたが、夜中の零時ごろ突然2m/s前後まで風が落ちた。 さほど大きくはないが波だけが残り最も嫌な状態となる。月夜なので後方から大きな黒い雲の塊りが迫ってくるのが見える。すかさずセールを下ろし機走。 2時間後に風が出てきたので再び帆走。事前に1ポイントリースしているが、直ぐに風が10m/sを超え更に強くなりそうなので3ポイントまでリーフする。 風は更に強さを増し時折15m/sを超える。波が大きくならないので一時的な強風と判断できる。 もし風より先に来るようなら積雲(積乱雲かもしれない)により生じたのではない、別な理由を考えなければならない。 明け方5時風はうその様に収まり5m/sまで落ちる。 この間に鱈腹飯を食い、メールを書いたら一眠り。そろそろハワイでの準備作業をリストアップしなくてはならない。


9月14日(水)0400JST
32°44′N 143°52′W N3m/s 晴れ・曇り・雨 風が弱いので機走 COG230 SOG5.5kts

<コメント>
情報有難う御座います。ハワイに関係国の領事館が揃っているといいのですが。現地で確認します。
ところでハワイ周辺で波が高くなっているのはどうしてでしょうか?潮流の関係ですか?

素晴らしい天気になりそうだったが、明け方突然の雨、2時間ほどで上がる。5m/sの風でジュネカーセット。艇速が1ノット増すが、風が30度の幅で触れ回るので2時間程度で降下。 風が30°更に東に振れ風速も7m/sと落ち着いてきたのでたのでジャイブ。


JST9月14日0800 32°32′N 144°14′W NNW7m/s 晴れ 26℃ 70% 1026hPa COG220°T SOG4.5kts

9月13日(火)0100JST
33°59′N 142°02′W 曇り N8m/s 24°C 66% 1027hPa COG230°T SOG5kts

<コメント>
一月初旬にケープホーンにたどり着く事、ハリケーンが発生する5月以前にバハマ経由で北米東海岸を欧州に向け出航することを念頭に、ハワイまではテスト航海の延長で艇の限界を見極めることを心がけてきました。ハワイで、当面気がついた問題点を解決すべく、最後の補修をする予定です。さはさりながら、主要部品を壊してしまうようでは長期航海者の心掛けとして落ち度があったことは否めません。ここに来てやっとセーリングのペースが掴めかけたような気がします。とりあえず夜間は4〜5ktsに抑えるようにします。

先のメールで依頼したビザの件ですが、当初予定した通り、ビザ無しで何処までいけるかもこの航海で確認しレポートします。カナダでは全く問題ありませんでした。北米の場合、移民対策上ボートピープルにも神経を尖らせているような気がします。この点については日本も同じですね。今後色々な国の港に寄港します。出来るだけ上陸させて貰うように交渉しますが仮にビザがなくて上陸できなかったとしても、燃料と水の補給には応じてくれる筈です。

ハワイから先の寄港地ですが、キリバス、マルケサス諸島(ヒバ・オア島)、イースター島を経由してケープホーンに向かうルートを考えています。如何なものでしょうか?
タヒチルートとの比較とあわせアドバイスお願いします。ハワイについてから再検討の上最終案をまとめますが海図を揃える都合上早めに目処を立てたいので宜しくお願いします。

時々東に振れるのでスタボードからポートにジャイブするが、数時間で北に振れ戻る。JST0500現在、北の風7m〜10m/s、スタボードでハワイに向け一直線。これ以上風が強くなるとリーフしてワイルドジャイブを避けるため若干西に進路を取る事になる。

早速の返信有難う御座います。南太平洋諸島はビザ無しでも、必要であれば現地で取得可能)大丈夫そうですね。
マルキーズ諸島の場合も同様と考えて宜しいでしょうか?チリ、アルゼンチンの場合はどうでしょうか?
次から次にとスイマセンが教えてください。


9月12日(月)0100JST
35°15′N 140°23′W COG250°T SOG5kts N8m/s 曇り時々晴れ/雨 24°C 72% 1027hPa

<コメント>
現地時間昨日夕刻より東に振れかけた風が北に振れ戻り強さをます。この風に上手く乗らないと微風帯に捕まる可能性がある。黒雲と共に雨を伴う15m/s前後の突風が吹き、風向きも大きく変わる。突風が来ると途端にウェザーヘルムが強くなり艇が風上に向かう、波が艇を超えた途端に今度は突然風下に向かう。安定して走らせるためジブとメインのトリムを繰り返しながら久々に明け方までウォッチを続ける。夜明けと共に風が若干落ちるが風向は依然として北。東に振れるまでこの進路を続ける。(図:現在位置)

9月11日(日)0100JST(GMT9月10日1600)
<コメント>
馬場様
ハワイではとりあえずアラワイヨットハーバーに入り、そこで再度入国手続きを行った上、近くの適当なマリーナ(現地で決定)に入る予定です。ハワイを10月中旬出航しケープホーンに向かいますが、途中燃料他補給のため寄港が必要です。候補地としてタヒチか又はマーケサス諸島がありますが、何れもフランス統治領です。フランスのビザは持っていませんが入港可能かどうか調べて下さい。又燃料補給地として他に適切な港があれば合せてアドバイスお願いします。

現在地36°18′N 138°15′W   北北東 5m/s 曇り 23℃ 65% 1028hPa COG250T SOG4.5kts

風が大分落ちてきた。徐々に東(N30E)には振れているがジャイブするには更に30°以上の振れが必要。風が変わるまで引き続きスタボードタックで西に向かう。


9月10日(土)0100JST(GMT9月9日1600)
<コメント>
台風シーズン到来ですね。気象予報の送付月曜日と木又は金の何れか週2回でお願いします。日本時間の日中はイリジューム回線が混み合うためか中々通じません。今後送付時間を深夜から早朝に行います。
政権の行方興味深いですね。

現在地 36°47′N 135°46′W  北北西12m/s 波高3m COG230T SOG 6.0kts 曇り 24℃ 湿度73% 気圧1028hPa

北北西の風に乗りハワイへ向け順調に船足を延ばしている。気象予想図では今後北米大陸で発達している低気圧の影響が薄れ、これまでと異なり南下すると風が弱まるので、風が東に振れるまで北北西の風に乗りラムラインの西に出る予定


9月9日(金)0800JST(GMT9月8日2300)
37°43′N 134°17′W 北北西12m/s 波高2〜3m 曇り時々晴れ/雨 COG230°T SOG5.5kts

<コメント>
ここ数日風と天候に恵まれ総て快調。問題がないのが不安という状態だったが、長くは続かなかった。うろ覚えだが、マーフィの法則に「起きて欲しくない事は必ず起きる。」とあったのを思い出す。
ウインドベーンが又壊れてしまった。現地時間の真夜中に予感があり、目を覚ますと雨と同時にブローが入っている。間もなくダーマが風上に向かいセールのはためく音がする。ライフジャケットとライフラインを身にまとい、ランプ片手に船尾へ行ってみると、ベーンとパドルをつなぐジョイントコネクターが外れている。簡単な作業なのでその場で直そうとしてジョイントコネクターを 海に落としてしまう。スペアがあるが船尾から身を乗り出しての作業は危険なので、オートパイロットに換え夜が明けるのを待つ。
薄暗いうちにジョイントコネクターを付け直したが何故か上手く作動しない。再度船尾に回り不具合を調べようとして本当に「アット」驚いた。水中にある筈のパドル(ベーンが風の動きを捉え、その動きを水中のパドルに伝え、パドルの動きで舵を取る。)が跡形もなく消えている。パドルは5mm径のステンレスのパイプに連結されているのだがその連結部から外れている。前回修理したのはこのパドルを支える金具だった。今度はパドルそのものが消えてなくなっている。前回と同様2台あるオートパイロットを交代させるので航海に不安はないがハワイでの仕事が又一つ増える事になった。

DHARMA in Hawaii

今しがたメールを送る前に外を覗いたら大型のコンテナ船が左舷前方から現れ西の方へ去っていった。
フカ水道を出て以来大型船に遭遇するのは始めて。
現在地はサンフランシスコの沖500海里、緯度は仙台とほぼ同じ。銚子までは約4000海里


9月8日(木)0700JST(GMT9月7日2200)
39°10′N 131°56′WN10m/s(最大13m/s) COG230°T SOG6.0kts 晴れ時々シャワーあり。温度23度C 湿度66% 1027hPa

<コメント>
現地時間の昨日夕方より北西から北にシフトしていた風が徐々に強さをまし、夜中までに6m/sから10〜12m/sとなる。舳先をハワイニ向けスリーコーターで帆走。速度も6ktsを超えるようになった。
これまでの遅れを取り戻すべくフルセールで走っていたが、北西と北の風が作る不規則なうねりがダーマを追い越すたびにヘルムが変わり悶えるように大きく蛇行する。ウィンドベーンは良く働いてくれるが波舵をさばくのは不可能。
あまり無理して壊してはいけないので、止む無くリーフ。吹き募る風に合せて2ポイントまで縮帆。
時々雨雲が頭上を通り抜けると風向風速共に大きく変わるのでその都度ベーンを調節する。
この風に上手く乗っていければ9月20日にはハワイに入港できる。上手くいくかどうか、恐らく入港は22か23日になるだろう。
【連絡】
JST1200頃メールを開いて予報を確認した頃より北西から北にシフトしていた風が強まり返信遅れました。受信中に一度中断(2分)したので2度に分けて配信されましたが10分以内で届きました。
電力の不安がなくなったので今後とも2枚組みで送付お願いします。


9月7日(水)0800JST(GMT9月6日2300)
40°38′N 129°39′W 北西風7m/s COG200T SOG6.0kts 晴れ,25C 湿度64% 1024hPA

<コメント>
馬場様
 現地の気象、気圧配置の流れの方向と速度からより適切な航路を選定するため、気象予想図は12時間又は24時間と4日前後の予想図の2枚を送ってください。今まで同様解説の方も合せてお願いします。

ここ数日帆走だけで進んでいる。北西の風が安定しているが、未だ一度もリーフするほどの風には出会っていない。日暮れと共に若干弱まり又ハワイへのラムラインを取るとやはり弱まる。引き続き南下を続けているが風がもう少し強くなったらハワイに向け南西に進路を取る予定。晴天に恵まれ、新たに取り付けた150Wソーラーバッテリーが良く働いているので当分エンジンを使わなくとも良さそう。
今後使う必要があるとすれば造水器を稼動する時になりそう。何時でも使えるように、先ほど給油をしエンジンオイルを追加しておいた。

話は飛ぶがシドニーで長期巡航中の夫妻に2組会った。当方が修理中に尋ねてきたのだが、両艇ともホームページを運用しているので興味のある方詳しく以下のURLをご参照願いたい。

Kerry & Jan Mair www.design.com.net.nz/vision
Dawn & Tom Baker  www.warmrain.typepad.com

メアー夫妻のビジョンは50ft位のスチール製のカッターで小樽に数ヶ月滞在。その後アリューシャン列島経由でシドニーにたどり着いたところ。いかにも潮気に満ちたニュージランド人。息子がオークランドでボートヤードを経営しているので是非立ち寄って欲しいとの事。当方修理中で残念ながらゆっくり話す事が出来なかった。
一方ベイカー夫妻のウォームレインは40ft位のセンターコクピット艇。いかにも住み心地が良さそうだ。ロッキード社退社後6年間現在のヨットで暮しているとの由。
来年中に南太平洋に向かうとの事。こちらの方は塗装のため陸揚げし数日滞在していたので一緒に食事をする機会があった。ダーマの航海記録をフォローしておくとの事。
最近は翻訳ソフトが発達してきて、日本語でも簡単に英訳してくれるそうだ。


9月6日(火)
【位置/海況】現在地42度18分N/129度02分W COG200度T SOG5kts 晴れ 25度C 湿度58% 1023hPa
<コメント>
明日天気図を送って下さい。このまま南進するかラムラインを取るかの参考にします。

出航以来風が弱かったので、機走主体で南進を続けてきたが、本日早朝より5m/s前後の北西風安定してきたので帆走に切り替える。出航以来使用したエンジンの時間は58時間。帆走に切り替えると同時にオートパイロットから修理したウインドベーンに切り替える。今のところ調子はすこぶる良い。
耳障りなオートパイロットのモーター音が消え、聞こえるのは波と風の音だけ。
銚子を出て1週間目であった最初の低気圧でウィンドベーンが破損、一時はミッドウェイかハワイに寄港しての修理も考えた。取りあえず2台あるオートパイロットを交代で使うことにした。このオートパイロットも沖縄へのテスト巡航の際、5日目に沖縄の伊江島に着いた途端に故障した前歴がある。
この為3日から4日でオートパイロットを交代させ、気象海洋の馬場さんと相談し何時でもハワイに入れるような航路を頭に入れながらどうやらビクトリアまでたどり着けた。
壊れた部品は暑さ1cm幅5cmのアルメミダイカストで出来た15×20cmの四角い金物だが、2箇所に亀裂が入り内一箇所は捩じ切れていた。ハワイへの出発を日曜日に決めたその週の金曜日に新たに注文した部品と、修理に出した部品が同時に届いた。造水器の修理の遅れで結局出発は火曜日となった。
月曜日の夕方ジュネカーのファーラーと合せ3時間程テストしただけだったこれで一安心。問題は強風の追っ手でどの程度持つかだ。予報では数日中にも航路上を15m/s程度の北西風が吹き抜ける可能性があるのでその時テストされる事になる。

今現地時間の午後8時を回ったところ、夕闇が迫って来た。日が暮れると少し風が落ちるようだ。

9月2日(金)
【位置/海況】47°12′N 126°21′W SOG210 COG4.5 w3m/s 風弱く機走中。
<コメント>
9月2日夕刻1700フカ水道を抜けハワイまでのラムライン225°(真方位)に転進。風弱く出航後に引き続き機走。 フラッター岬の沖合い50海里まで本船は少ないが漁船が多く、3時過ぎまでワッチ。
最後の漁火をかわしてからバースに潜り込む。

9月3日0700エンジン停止。南西の風7m/sを受け帆走開始。ラムラインを維持できず210(T)で5kts。2時間ほどで風が落ち、約2時間コントロールロープや艇内の整理をするが天気が良いのと疲れで頭が真っ白。同じ事を何度も繰り返す等極めて非効率。途中で中止。12時より再度機走。


9月1日(木)
【位置/海況】48°23′N 124°33′W COG290 SOG5.5kts W5m/s
<コメント>
予定通り現地時間0700にポートエンジェルスを出航。出航前には晴れていたのに、突然の濃霧。港内を行きかう作業船の霧笛が響く中、こちらもフォグフォーンで合図しながらな無事港外へ。
GPSとRADERだけを頼りにフカ水道を進む。11時前後から時々太陽が顔を覗かせる。オークベイマリーナからシドニーのウエストポートマリーナに移りそこを拠点に時折バンクーバーやビクトリアを訪れ、カナダには丁度一月滞在。この間色々な友人にもめぐり会い忘れがたい一月だった。
さはさりながら久しぶりに海に出ると格別の開放感がある。後一時間ほどでフラッタリー岬を回航そこから南南西に進路を取ると2200海里先にハワイがある。
マタマタ風次第ではあるが9月20日前後には入港できるだろう。

PS;色々な方々からメールを頂きました。一度ビクトリアのインターネットカフェで何通か返事を打ちましたが、その後機会がなく忙しさに取り紛れ返答できませんでした。同様に写真を送ることも出来ませんでした。お詫びいたします。ハワイに着いたら返信いたします。




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